Guitar Stuff Blog

今まで使ったギターアンプやエフェクターを紹介したいと思います。

20201208 Two-Notes Torpedo C.A.B M+

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久々の更新でございます😅

(今年はお買い物し過ぎて家計が火の車ですわ🚗 ³₃🔥

今回のブツは、キャビネットシミュレータとして昨今定番化しつつある、Two-Notes Torpedo C.A.B M+です!👏🏻👏🏻

 

Orosys社

Two-Notesの製品はOrosysという会社によって設計され、中国の工場で生産されてます。

設立は2008年と若手(12年経過してるけど、PRSが若手と言われるくらいなのでギター業界では超若手)ですが、キャビネットシミュレータのTorpedo C.A.BやダミーロードのTorpedo Capture、チューブ内蔵のフロアプリであるLe Preampシリーズなど、ギターのDAW関連の優れた製品を開発し、昨今どれも定番化してます。

ソフトウェア関連も注力しており、特に今回紹介するキャビシミュのC.A.B M+では専用エディタも存在し、PC上で色々設定を変えたり、ダウンロードでキャビネットタイプを購入したり、人が作ったサードパーティのIR(インパルス・レスポンス、要はキャビネットタイプ)を導入したり出来るようになってます。

SansampのTech21社同様、「ギターやベースにはアンプが必要」の概念を打ち壊す企業ですね🎶

 

インターフェース

シンプルにフロントパネルにはつまみ2つだけです。

中央にディスプレイがあり、GUIを駆使してつまみで操作する方式で、つまみを押下するとクリック出来るようになっており、両方どちらかのつまみをクリックしてメニュー画面を開き、左のつまみでメニューの選択、右のつまみをクリックすると決定して各メニューの詳細画面に入ります。

詳細画面で右のつまみを回すと各パラメータを変化させ、左のつまみを回すと次のページに移行出来ます。

メニュー画面中に左のつまみをクリックすると、その前の画面に飛び、何回か押すと最初の画面に戻ります。

慣れるまでは少し癖があって大変ですが、つまみ2つだけなので意外と覚えやすいかと思われます。

 

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筐体右側にはUSBポートがあり、PCと接続してソフトウェアアップデートを行ったり、IRを取り込んだり、逆にコピーしてPCに保存したり出来ます。

またアンプのスピーカーアウトやエフェクター、プリアンプなどから繋ぐ端子と、スピーカーやダミーロードに出力する端子があります。

アンプをC.A.B M+に接続する場合、C.A.B M+からキャビネットやダミーロードに必ず繋ぐ必要があり、もし怠った場合C.A.B M+は勿論、アンプも壊れるので要注意(なのでTorpedo Captureとの抱き合わせ購入オススメw)

エフェクターやプリアンプを繋ぐ場合は特に何もせず、オーディオI/Fやモニタースピーカーなどに直接送れます😉

In Levelで入力時の音量を決められ、アンプを接続する際は-24dBにするのが好ましいです。

エフェクターやプリアンプは基本0dBで、内部の音量調節で賄い切れない場合は+12dBにするのもいいかもしれません。

 

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筐体左側は主に出力系統で、ミキサーやオーディオI/Fに出力するXLRケーブル用のDI Outや通常のシールドを挿せるLine Out、ステレオミニケーブル用のHeadphone OutやAUX Outなどがあります。

AUX Outはステレオミニケーブルを挿してモノラルミックスされます。

曲を流しながら練習したり、そのままミキサーに送ってレコーディングなんか出来ちゃいます👍✨

 

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Mode

まずModeはVirtual CabinetとIR Loaderというものがあり、Virtualは最初から入ってるキャビネットを読み込み、IRは文字通り外部IRを読み込みます。

IRはTorpedoの公式サイトで購入したり、世界中のユーザーが作成したものを取り込んで使用したり出来ます。

この外部IRの取り込みこそがデジタルキャビシミュの醍醐味で、拡張性が無限にあります🤘✨

 

Noise Gate

次にNoise Gateですが、これはスレッショルドの他、PC上でソフトモード(徐々に効く)かハードモード(すぐに効く)を選択出来ます。

 

Preamp

M+になって実装されたモードで(MでもソフトウェアアップデートでM+に出来ます)、Fender '74 Bassmanのプリアンプ部のエミュレータをオンオフ出来ます。

オンにすれば一応アンシミュの完成です(笑

ディストーションエフェクターなどを繋ぐ際は選択肢の1つになりますが、好みが別れると思われます(個人的にはあまり好きでは無いですw)

結構ドンシャリな音で、繋ぐディストーションも想像と違った音色になったりするかもしれません。

 

Poweramp

パワーアンプモードは、キャビシミュに更にチューブらしいサチュレーションなどを付加します。

6L6、EL34、EL84、KT88から選べ、更に1本か2本何れかを選択出来ます。

イメージとしては、6L6がローミッド強めでややモコる、EL34は高域と低域にハリが出る、EL84はハイミッドが出て低音がスッキリする、KT88は低音が強くてかなりモコるという感じですね。

また1本より2本の方がややゲインが上がります。

個人的には基本EL84の2本が好きですが、キャビのタイプでガラリと変わるので一概にどれが優れてるとかは無いです。

整流回路の方式もPentodeかTriodeかを選べます。

EQも付いており、Vol、Contour(中域)、Depth(低域)の3つを調整出来ます。

 

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Miking

この機材のメインディッシュと言っても過言では無いくらい重要なセクションです(なので見出しも大きくしましたw)

「キャビネットシミュレータ」なので、ここにメインのキャビネットが収録されており、それらを読み込んだり、音量バランスを調整したり出来ます。

最初から入ってるキャビネットタイプの「Virtual Cabinet」は、PC上でアプリのエディターを使ってマイクの位置やマイクタイプなどを変更したり出来ます。

外部から取り込んだIRはマイクの位置などを(当たり前ですが)調整出来ないので、実際IRを取り込む際にマイクの位置をずらして録る必要があります。

例えばスピーカーとの距離が2cmで1つのIR、4cm離して1つのIRという風に個別のファイルを作っていく感じです。

そしてそれらから自分が気に入ったものをC.A.B. M+の中にデータを保存して読み込む感じです。

勿論上記の2cmと4cm両方入れる事も当然可能ですが、保存出来るIRは最大20個までなので吟味する必要がありますね😅

後述の「Torpedo BlendIR」でIRの波形などを調整する事も可能です。

またC.A.B. M+をUSB経由でPCに繋ぎ、エディターでPC上のIRを読み込む事により、C.A.B. M+内に保存せずに「Preview」モードでIRを読み込んで鳴らす事が出来るので、保存する前に色々吟味する事が可能です👍✨

ここで重要になってくるのが当然音質なわけなのですが、まずスペックは「96kHz/24bit」までの.wavファイルをサポートしてます。

この時点で相当高音質なファイルです。

しかしながら、DAWなどではファイルのスペックよりも「D/Aコンバータ」が最重要だと専門の方からお話を頂きました。

D/Aコンバータとはデジタル信号からアナログの音声信号に変換する機構で、まずマイクで録音した音声信号はPCに入る時にA/D変換、即ちアナログの音声信号から、数字や文字のデジタル信号に変換されます。

その際に可聴範囲を決めるサンプリングレート(44.1kHzとか48kHzなど)や、アナログの滑らかな波形をデータブロックの細さの具合で再現するビットレート(16bitとか24bit)などを決めてPC用のファイルとして変換します。

因みに一般的なCDは44.1kHz/16bitの形式で処理されてます。

で、そのPC上で扱える文字だけのファイルを「音声信号」としてスピーカーから鳴らす為にD/Aコンバータという装置で変換します。

このD/Aコンバータがファイルを正確に読み取り、高音質な音声として変換するかがとても重要で、ここのグレードでオーディオI/Fの価格が数万〜数十万、下手したら百万単位で変わってくるそうです😱

では実勢価格44,000円のC.A.B. M+はどうなのか?と言うと、

「相当高いグレードのD/Aコンバータ」

が使用されてるそうです👍👍👍👍✨

本格的な数十万円のオーディオI/Fに引けを取らない高品質なものを採用しており、寧ろコスパ的には(ギターやベースに特化してるとはいえ)恐ろしい程高いと言えます。

安定した評価のモニタースピーカーなど(YAMAHA MSPシリーズとか)使えばまず間違い無く最高のサウンドを奏でられます(値段もお手ごろなのでMSP-3がオススメです!)

勿論1本5〜6万とかするような本格的なスピーカーだと、それはそれでヤヴァイ音は出ますが、12インチウーファー搭載とかで筐体がでかく重く、出力が大体100〜1000wとかザラなので、3〜5インチ位のウーファーで充分ですね(俺的には5インチが欲しいですw)

 

Equalizer

Mikingの後段にあるポストEQで、最終的な補正を加えます。

パライコ形式で、補正したい帯域を選び、可変範囲を選び、増幅or減衰させます。

選べる帯域はいくつか選べるので、自分の好みに合わせて詰めていくのが良いかと思われます。

 

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Enhancer

エフェクターやアンプからの信号と、キャビシミュを通した音の比率を決めます。

0で100%キャビシミュ、フルで100%素の信号が出力され、その間のバランス調整をする感じです。

またハイパスフィルターもあり、Body(ギターは100Hz、ベースは150Hz)、Thickness(ギターは400Hz、ベースは150Hz)、Brilliance(ギターは1.5kHz、ベースは2kHz)のカットを行います。

 

Reverb

エフェクトとしてリバーブが搭載されており、Ambient、Room、Hallと選べ、掛かり具合などを細かく調整出来るので、ギターとマイクの間の空気感から、「どこでギターを鳴らしたか?」の再現まで、空間的な要素をここでシミュレートします。

自前のリバーブを使いたいなら兎も角、この内蔵リバーブも高品質なので、これに任せてしまってもぜんぜん問題無いです👍✨

 

Level

そのパッチでの最終的な音量を決めます。

マスターアウトプットは別にあるので、そのパッチ内で妥当な音量を決め、パッチを変えた際に音量が一定になるか、はたまたバッキングとソロで音量を変えたいだとかで適宜調整します。

 

Save

ユーザーが色々設定したパッチを保存します。

1〜28までのスロットはプリセット(Virtual Cabinet)で、29番以降から保存可能となってます。

 

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Tuner

文字通りチューナーです(笑

精度はまあまあ普通ですが、C.A.B. M+上の画面では見づらいので、PCに繋いでユーティリティで見た方が見やすいです。

 

Global

AUXのレベル調整やディスプレイの明るい時間の変更、メモリーなどのシステム的な箇所はここで変更します。

 

IR

C.A.B. M+と言えば内蔵のキャビネットタイプも秀逸なんですが、やはり豊富な外部のIRの中から好みを選んでダウンロードし、それを取り込むのがこの機種の最たる使い道です。

IRは検索すれば無料のものから有料のものまで様々なラインナップがあり、またTwo-Notes製のものもあります。

また無料配布されてるアプリ、「Torpedo Blend IR」を使えば、IRを自分好みに加工する事も可能となってます。

他にも「Torpedo Wall of Sound」を使えば、キャビネットとマイクの位置やマイクの種類などをシミュレートし、C.A.B.シリーズを持ってれば中の32種類のVirtual CabinetをそのままPC上に持ってってシミュレーションなどを行えます。

IRは無数に存在し、それらを自分好みに加工し調整出来るので、音質面もユーティリティも非常に充実しており、そういった意味でもC.A.B.シリーズはキャビシミュとして質実剛健なのかなと改めて思いました😊

 

総評

恐らく今年度買った機材の中ではダントツに気に入ってます!

キャビネットシミュレータとしての音質や使い勝手は他の追随を全く許さず、数あるキャビシミュの中で迷ったら、取り敢えずコレを買っておけば先ず間違いないですね👍✨

1万前後の安いIRローダーものもありますが、それらはD/Aコンバータが安物なので、お試しとしては遊べるかもしれませんが、音質や価格面から行くとやはりC.A.B. M+が1番理想ですね。

アナログのキャビシミュはまた別のお話になるので、IR対応のデジタルキャビシミュならC.A.B. M+は(2020年12月時点では)最高の機材と太鼓判を押します!👍👍👍✨

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