Guitar Stuff Blog

今まで使ったギターアンプやエフェクターを紹介したいと思います。

20170322 Rockman Sustainor (Model 200)


久しぶりにSR&D社製品を書きます。
多分思い入れの強い製品なので、記事がかなり長く偏りがあると思います(笑

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Rockmanシリーズの代表作、Sustainorです。
Rockmanのファンのブログやサイトで頻繁に取り上げられてるので、探してる方は凡そ概要をご存知かと思われますw

Bostonのギタリストは全員導入済、また80年代から90年代初頭に掛けて多くのギタリストがXPRやDistotion Generator(以下DG)と共にこれを導入しており、日本のアーティストも挙って使い、一時期価格が暴騰した経緯がある製品です。

「サスティナー」というとBOSSのCS-3とか、一部アーティストの改造ギターに仕込んでる回路かなんかを思い浮かべると思いますが、これは完全にプリアンプです(爆

入ってるのはコンプレッサー、ブースター、ノイズゲート、ディストーションorクリーン回路、ノッチフィルター、トレブルブースター、各種イコライザーと多彩で異色なので、順を追って説明します。

まずコンプレッサーは入力ゲインとサスティンの調整が可能です。
入力ゲインが高いとアタックが強くなり、ディストーションモードだと歪みが強くなります。
サスティンはコンプ回路の応用で、4つのプリセット(0、8、15、21)から選ぶ感じです。
数字の意味がイマイチ理解出来ませんが(笑
15がデフォルトですが、僕は最大にしてます。

ノイズゲートは後に単体で発売されたSmart Gateの回路を流用しており、自然にノイズ成分が減衰していく感じですが、最大にするとすぐにゲートが閉じるので不自然にミュートしがちです(笑
僕はModel200では半分くらい、後述のDouble ICではオフにしてました。

プリアンプ部は歪2つ、クリーン2つの計4種のトーンが作れます。

まずDistですが、DGの歪と比べるとミドルが弱く、歪も弱いので最初はしょぼい印象を受けました(爆
その代わり音の分離は良く、立体的な音という感じにはなります。
コンプ感が強烈で歪はこの上なく滑らか、強弱がほぼ付かないので、DGよりも異彩という感じの歪です。
Boostスイッチで歪をブースト出来、サスティンも当然伸びまくります(笑

EdgeはクランチモードでX100とかにも入ってます。
Distより粗い歪で弱目ですが、ミドルはこちらの方が高いです。
Boostスイッチでゲインブースト出来る他、オートクリーン機能で音圧を出すこともできます。
ゲインブーストオフでオートクリーンをオンにしギターのVolを下げると、ミドルの強い若干歪んだクリーンが得られます。
僕的には音圧目的で、オートクリーンのクリーンサウンドはあんまし使わないです(笑

何れにせよ、歪を擬音で表すと「ゴオオオオォォン」という感じです(爆

CLNは高域が強目のクリーンサウンドで、歪系と同じくキャビネットシミュレータの回路を通過しており、全体的にCLN2より帯域が狭い感じがします。
グライコで表すと、一番端の低域と高域がカットで、低域かかなり低めで、高域になるにつれて徐々に上がっていく感じですかね。
擬音で表すと「ギャリーン、ジャリーン」な感じで、JC-120のブライトスイッチオンのクリーンよりトレブリーです。
Semi Cleanスイッチをオンにすると若干歪んだクリーンになります。でも結構アンプによって変わってきて、全く歪まず音圧が上がるだけの機能だったりします。

CLN2(TM)は唯一キャビシミュを通ってないトーンで、レンジが広く低域と高域が持ち上がりエレアコみたいな響きです。
商標登録されてるのか(TM)マーク付いてたり、日本では通称「青空クリーン」と呼ばれてたり、何かと有名なトーンです(これに同社のコーラスを加えたものが青空クリーンという人もいる)。
擬音だと「カリーン、コリーン」って感じかな?w
エレアコにコンプレッサーを足したような感じです(笑

これら4つのトーンは任意に2つのチャンネルにプリセット出来、ラッチ信号(フットスイッチとかMIDI)で切り替え出来ます。
定番はCh1に歪、Ch2にクリーンと振り分けてる人が多いですが(ボストン勢もそれ)、クリーン専用機にしたり、その逆も出来たり出来ます。

Treb Trimは歪のみに使えるイコライザーで、高域の調整ですかね。上げ下げで高音がジリジリになったり、逆に篭ったりします。

Phase NotcherはDGのやつと一緒ですが、こちらはFreqというスライドバーでノッチする箇所を可変出来るようになってます。
なのでPhase Notcherがオフの場合はFreqは効かないです。

Treble Boostもディストーションジェネレータと同一です。現場調整用です。

Rhythm Volはフットスイッチ専用のイコライザーで、低域の減衰を行います。減衰することによって音圧が下がり、バッキング用のサウンドになります。

音量はCh1とCh2で個別に設定出来るので、ディストーションに対し音量が小さくなりがちなクリーンを補正したり出来ます。

サスティナーはModel 100、100a、200、200 Double ICの4種の型番ががあります。
型番によって音が違うらしいです。
僕はModel 200とDouble ICを所持してますが、確かにDouble ICの方がローノイズで音が明瞭になってる感じがします。
巷では100系が篭った音、200系が抜けのいい音と言われています。
100系は比較的出回ってますが200系は少なく、Double ICはハーフラックエフェクター自体の生産終了の直前に製造された為僅かしかありません。

Double ICは同社のコンプレッサー同様Lead levelerと呼ばれる、ICが大きいのと小さいので重なってるものです。
ノイズ低減、ディストーションの歪の量の増加などの効果が得られます。

プリアンプとして確かに唯一無二の音と言われると納得出来ます。
歪自体は弱い代わりにコンプレッサーで補強してるので、きめ細かさはなく滑らかな感じになってます。
他社製のEQをどう設定して繋ごうとミドルがブーストされた歪で、使うジャンルは限られます(笑
やっぱりコーラス繋いで80年代HR/HMですかね(爆
90年代のJ-POPとかやるには別途ブースターなどが必要です。

クリーンの場合もコンプレッサーの効果で際立って聴こえます。
クリーンはどちらのモードも今の曲でもジャンル問わず使えますね。

僕的にはドンピシャなサウンドですが、万人にはオススメ出来ない、賛否両論がはっきり分かれるサウンドです(笑