Ultimatum Distortion Generator, Acoustic Guitar Pedalに続くRockman 3部作のフィナーレを飾るのは、遂に手に入れましたREV20。。。ではなく、それの"クローン"でございます!
Sustainor REV20
恐らく当ブログで何回か話題に上げたと思われますが、Rockman Sustainorの中でも一際レアな存在なのが、このREV20というものになります。
Model200を基礎とし、Tom Scholz御大とGary Pihl氏の為だけに改良を施したもので、僅か13台だけ製造され、市場にはまず出回ってないものになります。
外見の違いとしては、
・「Preamp Gain」の表記が「Pre Treb」になってる。
・電源の下の「©️1985 SR&D」の表記が「©️1989 SR&D」になってる。
と、文字の表記違いで見分けがつきます。
またプロトタイプとして「REV19」というものもあり、こちらは「Preamp Gain」の箇所に「Pre Treb」と書かれたステッカーが貼られたものになります。
こちらは製造台数が僅か2台しかありません(ので、もし市場に出てきたら大抵は偽物の可能性が高いですw)
では一般に流通してるSustainorとREV20ではどの様に違うのか?
このREV20クローンをモディファイしたBob Martyn氏の、Reverbでの宣伝文句ではこのようになってます(全文、記事翻訳済)
つまり60%位は手を加えられ、まるで別物という事です(爆
要約すると改造箇所は、
・DIST/EDGEのゲイン構造自体
・Preamp Gain→Pre Treb
・Auto CLN
・Semi CLN
・Phase Notcherのスライダー
・Treb Boost
という事になります。
また、現在では閉鎖されている彼のRockman専門サイト、「Rockman Central」の情報では、
・Auto CLN機構を今までより機能的に向上させた。
・「Pre Treb」は低域を減衰させる効果で、スライダーを上げると低音が減少する。
・DISTモードとEDGEモードにおいて11~12kHzの帯域をブーストし、これが重要な役割を持ってる。
・ダブルICを採用する事により、コンプレッサーのリリース速度を向上させレスポンスがすこぶる良くなる。
と書かれてます。
中の基盤
では中はどのようになってるのでしょうか?
まずは全体図
4ch modが施されてるので空中配線が激しいですが(緑色の配線がそれ)、それを抜きにしても様々な箇所で視認出来ます🧐
Auto CLNの箇所
真ん中のごちゃごちゃしたのがそれで、本物とされるREV20でも無理やりパーツをつけたような回路になってます(笑
ダブル IC
コンプレッションのリリース速度(レスポンスが速くなって明瞭になる)が向上し、Auto CLNの機能向上をさせる、ICが2段になって積み重なってるモディファイで、こちらは一般流通してるSustainorにもDouble ICモデルとして最終ロット辺りに適用されてます。
Pre Trebセクション
Preamp Gainでは主に入力ゲインの調整でしたが、こちらではギターからの信号がコンプレッサーに入る際の低域成分の調整になってるそうです。
フロントパネル
フロントパネルは通常のSustainor Model200と同じです。
今回モディファイされたものは「Smart Gate」表示の後期型Model200みたいですね🤔
リアパネル
シリアルは「SP18987」、製造年月日は「1989年3月17日」のロットみたいです。。。😳‼️
このシリアル、Rockmancentralの情報ではREV19のものと全くの同一です!
ここから考えられるのは、
・REV19のシリアルをコピーして上から貼った(笑
・Rockman Centralの情報に不備があった
・本物のREV19
・本物のREV19を(所有してたBob Martynが気付かずに)REV20にモディファイした
の4つです。
それを踏まえ、今回Rockman-gearup.comにおいて直接モディファイを施した本人と話をした所、どうやら2番目の項目っぽい見解(Rockman Centralの情報に不備があった)っぽかったです。
少なくとも市販のSustainor Model200の中の一台をモディファイしてREV20相当にしたそうですが、シリアルの件については触れませんでした。
シリアルも(恐らく)偽物ではないので、記事に不備があったという感じかもしれませんね🤔
鳴らしてみた
レギュラー版と比べる前に、REV20単体で鳴らしてみました。
まずゲイン量ですが、従来のSustainorよりかなり高めに設定されてるように感じました。
モダンハイゲインアンプ並に歪みます🤘✨
トーンも何となくチューブ感があり、ハイゲインなのもあってか音がかなりスムーズで奥行感がありますね🧐
Pre Trebはコンプレッサー段に入る前の低域のコントロールなのですが、変化の仕方は微小です。
気持ち低音が出るか(スライダー最下段)、低音がスッキリするか(スライダー最上段)を選ぶ感じですね。
恐らくギターの種類やPU、シールドなんかで顕著に変わる部分かと思われます(Monster Studio 2000だと低音がガッツリ出るので聴き分けるのが難しいかも?)
後日Martyn氏に伺うとやはりギターの相性で大きく左右されるそうで、特にScholz御大のMighty Mouseギター(リアがDiMazio DP-100にすげ替えられたGibson Les Paul '68 Gold Top)に最適化されてるそうです。
Sustainは最小にしてもそこそこゲイン量があり、やはりハイゲインにモディファイされてますね。
最大にすると歪み過ぎてノイズがやや強いかなと思いました。
Distortion/Filterセクションですが、まずメインディッシュのDISTモードはハイゲイン化されてます🤘😡🤘✨
Martyn氏曰く
「ディストーションセクションの前段にある抵抗の抵抗値が大幅に減少し、大きな信号がプリアンプに出力される。それと同時にプリ段のEQも変更されている。また高周波数帯の値が製品版よりも得られ、これによってチューブアンプのようなニュアンスやトーンが得られるようになる。その後段にある抵抗の抵抗値を上げることにより、信号が遅く出力され、サスティンが飛躍的に上昇する」
とあります(やべぇ難しい😅
確かに弾いてみて最初に気付いたのは、市販のSustainorよりゲインや音圧が大幅に上昇し、チューブらしい奥行感でした。
Sustainor含むRockmanのディストーションは、強烈なコンプによる無機質なものが良くも悪くも最大の特徴なのですが(個人的には最高✨)、それが一気にチューブアンプライクな感じに近づいた感がありますね(それも超最高!✨✨✨)
またEDGEモードもゲインやサスティンが大幅に加えられ、チューブアンプらしいレスポンスがバッチリ感じられるようになり、今まで微妙な立場だったのがしっかりリードやバッキングまでこなせるトーンになってます!
因みにAuto CLNを発動すると、音がかなり小さくなります。
Auto CLNの主な機能は、
「EDGEモードにおいてギターのボリュームを絞ってクリーンサウンドを作る」
ものなので、Auto CLNが音量小さくなるとかなりまずいと思うんですが(笑)、マスター側の音量を上げて常にAuto CLNをオンにしてクリーンとリードを使い分ける事である程度解決出来ます。
Auto CLNオフでもボリューム絞ってクリーンサウンドは作れるのですが、オンにすると高域が強調されて煌びやかなクリーンを作る事が出来ます。
またCLNモードにおけるSemi CLNも確かに変わっており、ゲインやPresence辺りの超高域が付加されたような、ジャキジャキした少し歪んだクリーンが出せます。
今までのSemi CLNが微妙だったので、この変更は中々良いです👍✨
CLNやCLN2自体のトーンは変わり無いようですが、フィルターやポストEQとなるPhase NotcherやTreb Boostに変更点があるので、相対的に市販品と音が異なってるかと思われます(聴感上は差はありませんでした)
Treb Trimも変更点はありませんが、DIST/EDGEモードで10~11kHz辺りが市販品よりブーストされているそうで、Treb Trimを絞っても市販品よりモコモコしないですし、逆に上げるとメタルに近いかなりエッジ感の強いサウンドになります。
Phase Notcherは逆にかなり変更点が加えられてます。
従来のものはオンにしてスライダーを動かすとトーン自体が変わるような印象でしたが、こちらはトーン自体はあまりシフトせず、(ちゃんと)マイクの位置をちょっとずつ変えてるようなニュアンスに変更されてます。
殆どのユーザの方が市販品のSustainorのPhase Notcher用のスライダーの位置を変えてない事が多く、こちらはそのスライダーを変えるという選択肢が付与されたような気がします。
Treb Boostも同様で、従来のものより上げ下げによる音量の変化がかなり抑えられ、より現場での調整に適した挙動となってます。
Rhythm VolやMaster Volなどは特に変更点はありませんが、俺のクローンでは4ch modを施した際にCh1がDIST/EDGE、Ch2がCLN/CLN2の音量を司るように改造されてます。
比べてみた
早速ではございますが手持ちのSustainor達と比べてみました😆🤘✨
セッティングは皆一緒で、Preamp Gain(Pre Treb)の値が4の所以外は全てデフォルト、DISTのBoostやPhase Notcherはオンとなってます。
比べてみたところ、REV20 Cloneが圧倒的音圧、圧倒的ハイゲインという感じでした🤘😡🤘
ゲイン構造自体が変わってるというモディファイらしいので、それがモロに出てるという印象ですね🤔
しかしSustainorを使った多数のアーティストの作品は市販品の方であり、この歪み方やトーンはBOSTONの為に特化してるものと言えます。
EQ+Chorus+Echo
やはりBOSTONサウンドに特化してるならイコライジングやモジュレーションが必要!
という事で音作りしてみました😉
今回、REV20 CloneをモディファイしたBob Martyn氏からEQ設定を頂いたので、早速俺の設定と比べてみました😏
*上がBob MartynのEQ、下2つが俺のEQ
*Bob Martyn氏にREV20 Cloneのシリアルについて伺った際、お土産に貰ったEQセッティング😆
感想としては、EQ無しだとStereo ChorusやEchoを介した時に音が奥に引っ込んでしまうので、やはり高域の底上げが必要かと思いました。
その上でBob Martyn氏の設定ではハイミッドに当たる1.4k、2k、2.8kHzの帯域をかなりブーストしており、エッジの立たない範囲で高域の明るさを底上げしてます。
一方俺の設定はと言うと、完全にPhase Notcherのものを強調したような感じになってます(笑
やはり125Hzは上げて250Hzを下げるのは同じ感性みたいですね🤔
俺は高域のピークを4kHzに持っていき、16kHzは減衰させてます。
これにより芯のあるサウンドが作れるような気がしたんですが、逆に言うと音が細くなってるような気がしなくもないです(爆
まとめ
REV20は最強のSustainorでした🤘😡🤘
Auto CLNの機構は微妙ですがそれ以外は軒並みアップグレードされており、特にハイゲインになってるのと、Phase Notcherの効きが別物になってるのが気に入りました😆👍
1番注目してたPre Trebの機構は非常に微小な変化ですが(CLN2だとそこそこ顕著に違いが出る)、低音にパンチを加えるか、スッキリとタイトにするかを選べるような効き方なので悪くはなかったです。
昨今Sustainorもレア品扱いされてきてますが、その中でも希少な回路を組まれたREV20 Clone、手に入ったのが奇跡です!😭