
ここ最近新機材を買ってなかったのですが(ラックケースやミキサーを除く)、予約してたお品物が届きましたので久しぶりにレビューしたいと思います(ミキサーのレビューもいずれ掲載したいと思います)
HTJ-WORKS HWS-100ASです!
HTJ-WORKSに関しては以前こちらのBrown Stone
を購入しましたが、こちらのHTJ-WORKSでは長年Rockman Sustainorの復刻の研究をしており、それがようやく製品としてリリースされた形となります。
HTJ-WORKSではこの製品以前に2ch仕様のHWS-100Aという製品を販売してましたが、今回のHWS-100ASはトグルスイッチでch切替をする仕様で小型化されたものとなります。
インターフェース
Rockman Sustainorのリイシューなので、それに準じた名称のコントロールとなってます。
SUSTAIN
コンプレッサーにおけるサスティンを調整します。
ここを上げるとRockmanでお馴染みのロングサスティンを得られます。
PREGAIN
AGC(Auto Gain Control)と呼ばれる機構で、コンプレッション、ゲイン、音量を調節・自動調整します。
コンプレッサーなのですが、通常のコンプレッサーではコンプレッションを上げるとある一定のレベルを超えると音が圧縮されて一定の音量を保つ代わりに仕様上音量が若干下がる傾向にありますが、AGCはコンプレッションした後音量を自動調整し減衰を抑えます。
またRockmanではコンプレッションの強弱がそのままゲイン量に反映されるのでLEAD/EDGEモードでゲインを稼ぎたい場合は上げ目、EDGE/CLN1・2モードでゲインやコンプレッションを抑え目にしたい場合は下げ目が良いでしょう。
TREB
LEAD/EDGEモードにおける高域調整をします。
Rockmanに準じている場合、3kHz以上に作用するローパスフィルターで最大値がフラット、Sustainorのデフォルト値は12時となります。
12時を基準にして左に回すと音がかなり籠り、右に回すとザクザクとした鋭い高域が顔を出します。
NOTCH
後述のPHASEをONにすると作用するつまみで、2箇所のノッチ(極狭のQで値がやや大きいdB数のカット)する周波数をここでシームレスに決められます。
T-BOOST
マスターセクションにおける高域レンジのローパスフィルターで記述では「ブースト」と書かれてますが、最大値でフラット及びデフォルト、下げると4kHz以降の高域と音量が減衰します。
Rockman Sustainor Model100〜100Aの頃は下の写真のように出力先に応じて推奨設定が記されていました。

LEVEL
最終的な音量をここで決めます。
但し音量の増減はT-BOOSTのセッションの方が広いです。
PHASE
プリアンプセクションにおけるフィルター(キャビシミュ)において特定の帯域を2箇所ノッチし、4×12"キャビにおける位相干渉をシミュレートします。
NOTCHつまみを動かす事によってノッチする帯域が変動し、マイクの位置を動かしたようなトーン変化が得られます。
BOOST(LEAD/EDGE)
LEAD/EDGEモードにおいてゲインブーストします。
LEADモードでは+7dB、EDGEモードでは+14dBのブースト量となってます。
LEAD/EDGE
2-WayトグルスイッチでLEADモードとEDGEモードを切り替えます。
LEADは文字通りリード向けのディストーション、EDGEモードはPREGAINの値でクランチ〜オーバードライブまでのサウンドを奏でます。
こちらのモードでのみTREBつまみとBOOSTスイッチが有効になります。
SEMI/CLN1/CLN2
3-WayトグルスイッチでSEMIモード、CLN1モード、CLN2モードを切り替えます。
CLN2はコンプレッサーと独自のイコライジングをされたクリーンサウンドでフィルターは通らず、コンプレッションが掛かったエレアコのようなサウンドを奏でます。
CLN1はCLN2にフィルターを加えたアンプのようなクリーンで、低域が減衰し中〜高域がやや強調され、超高域がフィルターによってカットされてます。
SEMIはCLN1にほんの僅かなゲインと音量を足したクリーンで、CLN1より音の太いサウンドです。
SEMIに関してはRockmanの方のSEMI CLNに準じ、Rockmanの方はModelによって太いクリーンだったり、少し歪んだ所謂ダーティクリーンだったりするのですが、こちらは100Aに準じた通常の太いクリーンです。
CLN/LEAD
SEMI/CLN1/CLN2モードとLEAD/EDGEモードを切り替えます。
オリジナルではラッチ信号を制御出来る機器(外部フットスイッチやMIDI Octopusなど)でCh A/Bに設定したモードを選択する方式でしたが、こちらはフットスイッチが直接付いてるのでそのまま切り替えられます。
但しオリジナルでは出来たEDGE↔︎DISTやCLN1↔︎CLN2などの切替は出来ません。
BYPASS
ペダルのサウンドをバイパスします。
オリジナルではモード切替同様ラッチ制御でバイパスしますが、こちらも同様にそのままバイパス可能となってます。
オリジナルSustainorからオミットされた機能は
・GATE(ノイズゲート)
・AUTO CLN(EDGEモードでギター側のVolを下げると音量を補正してクリーンサウンドを作る機能)
・RHTM VOL(出力時に1kHz以上の高域の減衰を抑えつつ全体の音量を下げる機能)
となってます。
電源はセンターマイナスの9Vアダプターで動作します。
オリジナルは中にトランスが入ってる物はコンセント式で各国の電圧に準じ、アダプター式の物は12VACの交流電源のものを用いるのでやや不便だったのですが、それが改善されてます。
筐体の小ささ、電源の取りやすさ、制御のしやすさなど、ペダルボードに組みやすく取り回しが良いです👍️✨
サウンド
今回はRockman Sustainor Model100A、Model200 Double ICの他にMXR Rockman X100、GOAT Sustainor、Takman XPR2 Thousand Driveとも比較してみました😉️
個人的な感想ですがRockmanを基準にすると、
HWS-100AS
トーン、ニュアンスどれを取っても100Aと同じ音。
Sustainorエミュレータとしては現在最高峰の一品。
MXR
オリジナルのヘッドホンアンプにやや準じており、動画には無いですがヘッドホンアンプと比べると中域が強くて高域が弱く、Sustainorの場合100Aより中高域が強くて明るい音、200よりエッジが弱く丸い音という中間に位置したトーン。
コンプなどのニュアンスは同一。
GOAT
歪に関してはRockmanのどのモデルよりもかなり高域が強く鋭い音。
コンプ感もオリジナルと異なる。
ラインで使うのは難があり、アンプやモニタースピーカーに繋いだ方が高域が減衰するので使いやすくはなる。
Takman
GOATよりはまだ高域が丸まっているがそれでも硬い音。
コンプ感もGOATよりはRockmanに近い。
ギリギリラインでも使用可能。
という印象を受けました。
手持ちの中ではHWS-100ASが一番Rockmanの製品を再現してるという印象でした。
優劣を付けるなら、
HWS-100AS≧MXR>(越えられない壁)>Takman>GOAT
ですね笑
総評
昨今国内外含めRockmanのエミュレーターは幾つか存在しますが、トップクラスの再現度だと思います。
歪のみならずクリーンも再現度が高く、BOSTONや再初期のあの音を再現するならうってつけですね👍️
但し(確認出来る限りでは)公式サイトでの予約注文での販売のみなので、試奏が出来ないのが難です。
動画などを参考にして、自分の好みの音かどうかを確かめてから買うのが良いと思います☺️️

