Guitar Stuff Blog

今まで使ったギターアンプやエフェクターを紹介したいと思います。

20210207 Rockman Stereo Chorus Pt.2

今回はRockmanのStereo Chorus(以下SC)とStereo Chorus/Delay(以下SC/D)のコーラスモードがどのように違うのか検証してみました。

 

まず双方の仕様についてはほぼ同じインターフェースで、フロントパネルを見ていくと、

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まず入力ゲインのセクションにおいて、SC/Dは「Level」表記でSCは「Preamp/Level」となっています。

SC/Dはラインレベルとギターレベルで区分けされてますが、SCでは「Drive Level」のみの表記で、下段に「Simul. In/Out G. Adjust」とあり、直訳すると「ギターの入出力を同時調整する」とあります。

恐らくプリアンプセクションでバランス調整しますよ的な感じだと思います(適当

入力ゲインはそれぞれSC/Dは±10dB、SCは±6dBと値が変わってますね🤔

ヘッドルームを表すLEDに違いがあり、SC/Dは「0(赤)、10(黄色)、20(緑)、3(緑)」の計4つ、SCは「Clip(赤)、6dB(黄色)、18dB(緑)となってます。

おそらく後期のSCでは、そこまでクリッピングするまでのレベルを細かく気にする必要が無いと悟ったのか、はたまたLEDを4つも付けて信号が劣化するとか考えたのかもしれませんが、俺的にもSCの方がシンプルで見やすくて良いかなと思いました。

 

Chorusセクションでは、Sweep Speedのスライダーに表記されてる値に若干の違いがあり、SC/Dは順当に「1、1/2、1/3、1/4」となり、SCは「1、1/2、1/4」となっております(単位はHz)

これに関してはさほど違いは無いみたいです。

問題はLong Chorusで、双方をオンにすると明確に違いが浮き彫りになります。

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音量の差は歴然なのですが、コーラスに含まれる微小なディレイタイムが全然違います。

恐らくSC/Dではダブラー効果を強調し過ぎて、Long Chorusモードではディレイタイムが伸びすぎてしまい、まるでディレイエフェクトが掛ったような感じになってます。

SCでは修正されたのか、Long Chorusモードではちゃんとした?ダブラーエフェクトの効果になってます。

 

因みにLong Chorusをオフにした時の音はこんな感じ👇🏻

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SCはほぼヘッドホンアンプのX100のような掛かり方、ややフランジャー的な効果のあるコーラスなのに対し、SC/Dではデチューンのような二重に聴こえるコーラスになってます。

恐らくTom Scholz御大が目指したのはこのデチューンのようなコーラスで、ギターの音を二重にするダブラーのような効果ですね。

 

最後にモノラルミックスされた音(Long Chorus ON、Equal Mono)はというと、こんな感じです⬇️

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ステレオで出力した時に比べると、物理的な理由(ステレオだとスピーカーが2つあるので音が広がる)でこじんまりとした印象がありますが、それでも立体的なサウンドは顕在です。

またステレオだと空間合成式のコーラスなので、ヘッドホンなどで聴くとあまり効果を享受出来ず、モノラルであれば音がセンターに来るのでコーラス効果を堪能出来るという利点もあります。

因みにLong Chorusの効果は、コーラスに採用されてるディレイタイムを2倍にする効果で、より立体的になる反面、SC/Dだとディレイの輪郭が目立つ程長くなってしまってます(笑

 

アウトプットはSC/Dでは「Output Mix」となり、SCでは「Delay/Direct Mixer」と呼び名が変わってます。

Wide StereoとNormal Stereoでは揺らしている時の周期やそれに付随する位相が違い、Wideの方が緩やかな波形で揺らしてる印象です。

緩やかな正位相と逆位相を合成させることにより、より広がるステレオコーラス効果を得られるのかなと考えてます。

Normal Stereoの方が控え目ですが、場合によってはWideだとエグいと感じるケースもあるので、演奏する曲に合わせるという感じですね。

Equal MonoとSubtle Monoは丁度WideとNormalをモノラルミックスしたものという感じで、これに関してはSC/Dの方が揺れが速いかなと思いました。

クリック式のスライダーが双方共2つありますが、理由は全く異なります。

SC/Dはコーラスセクション(A)とディレイセクション(B)のそれぞれのアウトプットを担ってるのですが、SCは違います。

 

・Prime Mix(左)とAlt Mix(右)に分かれ、フットスイッチでそれぞれ設定したモードを切り替えられる。

・表のスイッチでLong Chorusモードをオンにすると、強制的にAlt Mixの方を採用する。

・フットスイッチでLong ChorusをオンにするとPrime Mixがそのまま適用される。

 

と、便利だけどややこしい仕様になってます(笑

 

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次に背面です。

右から見ていくと、Inputの位置は同じなのですが、Stereo Outは左右逆になってます。

使いやすいのは勿論下段のSC/Dの方です。

SCは何故左右逆にしたのか理解に苦しみます(笑

次にSC/Dの方から説明していくと、

 

・Chorus Delay→コーラスとディレイの切り替え。

・Mix A/B→コーラスorディレイ時に、Direct MixのAとBの設定を切り替えて両方使用出来る。

・Bypass→バッファードバイパス。

 

となってます。

 

対してSCは

 

・Sweep Stop→揺れを完全に無くし、コンマ数ミリ遅れたドライなサウンドを同時に出力する機能

・Long Chorus→フットスイッチ制御のLong ChorusでPrime Mixのままにしておける

・Alt Mix→Long Chorusを介さずともPrimeとAltを切り替えられる。

・Bypass→バッファードバイパス

 

となってます。

恐らく最初のRockman Stereo Chorusの記事でも書いたんですが、SCの方がよりコーラスエフェクターとしての機能に特化した仕様になってます。

 

他社製の歪ペダルにSC噛ませるとRockmanの音になるのか?

SCとSC/Dの細かな違いは説明したので、今度は都市伝説となってる実験を試みる事にしました🧪⚗️🔬🧐

Rockmanのプリアンプ類は勿論特殊なミドルの出方やフィルター、強烈なコンプレッションによってあの独特なディストーションやクリーンを奏でますが、このコーラスを噛ませてもBOSTONらしいサウンドになる、という噂もあるので、早速Rockmanらしくないペダルをチョイスして鳴らしてみました。

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 「夏の日差しにさわやかな水着ちゃん🏝☀🌊⛱」

という事で水着ちゃんにしました(どういう繋がりだよ?(╯°□°)╯︵ ┻━┻

ドライサウンド、JC-40の空間合成ステレオコーラス、そしてRocman SCの順に鳴らしてます。

JC-40はFixedモード、つまりJC-120に搭載されてるコーラスと同じ揺れ速度や深さになってます。

弾いた感じですと、JC-40のコーラスが一般的なコーラスだとすると、Rockmanのはやはり二重に聴こえるような効果を持ってます😺🤘

PlaytechやArionのコーラスも概ねJC-40のようなコーラスなので、如何にRockmanのコーラスが特殊かが伺い知れます(寧ろコーラスとしては揺れがそこまで強くなく、デチューンエフェクターという印象)

で、Bostonサウンドに近づいたか?となると、ダブラー効果は兎も角、ディストーションのキャラが違うとやはり無理があるかなと思いました🤣

 

総評

SC/DとSCでは「音を二重に聴こえさせ立体的なサウンドにする」という主旨は一致してます。

SC/Dでの音質面やインターフェイスなど、様々な部分がSCによって改善されてるのが分かりました。

SC/DでRockman流コーラスエフェクターの基礎を作り、SCで昇華してるという印象で、SR&D社も日々試行錯誤を繰り返してたんだなと考えさせられました(リビジョンもいっぱいあるしね

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