恐らく今年最後のmy new gearになる、Herbe&Chickからのディストーションペダル、GAZONです!
Herbe&Chick
まずはこの会社の概要から書いておきます✍
Herbe&Chickは元々個人工房であるCanary Guitars/Chick Effectsの社長がギターやエフェクターのリペアや、エフェクターの開発を行ってた所から端を発します。
そこにとある顧客がやって来て依頼をした際、同時にその顧客が得意とする粉体塗装の方法を持ち掛け、その塗装方法で意気投合し、会社設立という形になりました。
コンセプトは「使えるものを扱い易く」で、第一号としてGAZONの開発に着手なさったそうです。
その後、10機種ほどラインナップを完成させた後、GAZONやTron(同社のブースター)といった製品を現在製造・販売を行っております。
GAZONの意味はフランス語で「芝」、Tronは「枝」と、植物由来の名前が付けられており、これはHerbe/Chickの代表が植木職人も兼ねてる為です(GAZONが緑色、Tronが茶色なのもその為w)
GAZONはここ最近出来たディストーションですが、SNSなどで広まり、「隠れた名機」として話題になり俺も手を伸ばしました(笑
インターフェース
上段にGainとLevel、下段にBass、Mid、Trebleの3バンドEQのある、計5つのつまみで構成されており、EQセクションとそれ以外のつまみでデザインが異なってます。
また上段中央に「Voice」という2wayトグルスイッチがあり、歪量の他歪のキャラクターやトーンもここで変わります(後述)
電源はお馴染みの、センターマイナスの9Vアダプターで動作します。
トーン
ローゲインモード
ローゲインモードはコンプレッションが無くオープンな歪となってます。
Gainつまみを0にすれば、高域に艶のあるクリーンが出せ、9時くらいでジューシーなオーバードライブとなり、Gainつまみを回していくことにより自然な感じで歪量が追加されていきます。
2時くらいからディストーションと呼べる位歪が増し、ローゲインモードでもリードサウンドが狙えたりと、このモードだけでオールマイティに音色を確立出来ます👍✨
歪みの質も申し分なく、定価は3万切りますが、4〜5万円台のオーバードライブやディストーションと比べても遜色無い、分離感があって立体的な歪で非常にクオリティが高いものとなってます(ぶっちゃけこのモードだけでも3万で出したら売れそうな勢い😆🤘)
ハイゲインモード
ハイゲインモードは9時くらいから既に結構歪む感じです。
流石に0だと音がモコモコして使えない音ですが(笑)、上げていくと強烈かつ分離の良い、上質なディストーションが顔を出してきます👍✨
12時まではガッツリ上がり、それ以降は緩やかに歪量と音圧が上がっていく印象です。
コンプレッションはローゲインモードとは打って変わって適度に掛かり音が伸びます。
オープンな感じのローゲイン、コンプが効いて音が伸びるハイゲインモードと、どちらも上質な歪で、
「取り敢えず3万円台で上質なオーバードライブとディストーションの2 in 1が欲しい」
といった場合には万人にオススメ出来るペダルです😉
EQ
EQはアクティブタイプで、12時を基準にカットやブーストを行えます。
どの帯域もQが比較的広めに取られており、また増減するdB数もそこまで大きくないので、アグレッシヴにトーンを変えるというより、12時を基準にして確立したトーンをバランス調整するような印象を受けました。
トーンはEQ全て12時で500Hz辺りが盛り上がったミドル重視型で、ローゲインだと低域と高域が出てきてやや緩和され、ハイゲインだとガッツリミドルが盛られます🍚
Bogner Ecstasy Red(レギュラータイプ)、AMT B2、Suhr Riot、Ovaltone Q.O.O、GOAT Generatorなどが好きな人にはどハマりするトーンかと思われます(笑
エフェクターか?AIABか?
このGAZON、設計者の意図によると、
「昔テレビ等で聴けた往年のエフェクターたらしめるディストーションサウンドを再現してみた」
との事ですが、ユーザー側は「AIAB(アンプライク)」という意見が散見されます。
俺的には、最初は低域も中域もふくよかで、エフェクターにしてはワイドレンジなのでAIABかなと最近まで考えてたのですが、所謂AIABと呼ばれるものと比べると、チューブコンプレッションのような粘り気のあるニュアンスに対し、かなりソリッドな反応があり、今は
「高品質なエフェクター然としたディストーション」
と考えてます🧐
比べてみた
GAZON vs Riot Reloaded
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まずはミドルブーストディストーションの雄、Riot Reloadedとの比較🎶
Riot Reloadedに関しては、個人的にVoiceスイッチの真ん中(シリコントランジスタ)が一番好きなので、コレで比較しました😉
まず低域に関しては、「圧倒的に」Riot Reloadedの方が出ます。
低域からローミッドまでが特にガッツリ出ており、GAZONのBassとMidをフルに上げてもRiot Reloadedの方が強いです。
しかしながら埋もれるという事も無く、6弦のプルンとした感じもRiot Reloadedの方がより輪郭がありますね。
中域に関しては、GAZONの方がやや高めの帯域でピークを取っており、サウンドが明るい印象を受けました。
なので低域、ローミッド、中域を踏まえると音圧、重厚感はRiot Reloadedに軍配が上がりました🚩✌
高域に関しては、GAZONの方が圧倒的に出ており、Trebleでのさじ加減でRiot Reloadedと同じくらいにしたり、逆にフルまで上げても破綻しないので、抜け感などのアドバンテージはGAZONにあります。
Riot ReloadedもToneを最大まで上げてもパッシヴ型なので破綻はしませんが、やはりアクティブ型のGAZONよりも効きは弱いです。
(ややEQの効きは控えめだけど)アグレッシブに音作りが出来るGAZONと、GAZONよりもサウンドの方向性が固定されてて、後は現場での最終調整用にToneつまみが付いてるRiot Reloadedという感じですね。
歪量に関しては、Riot ReloadedのVoiceスイッチが真ん中の状態で、真っ先にハイゲインになるのはGAZONで、Riotの3時くらいでGAZONの12時くらい、両方フルでRiot Reloadedの方が歪みます。
Riot ReloadedのVoiceスイッチを右(LED)に倒すと、音量は下がるけど歪がかなり増すので、よりハイゲインなのはRiot Reloadedですね。
個人的にはRiot Reloadedの方が好きですね🤔
GAZON vs Q.O.O Blue Edition
続いてはRiotに似た、Unreal Amp HeadをモチーフにしたQ.O.Oとの比較🤘✨
まずトーンから書くと、低域はQ.O.Oの方がめちゃくちゃ出ます(笑
寧ろ出過ぎな位で、上の動画でMiddle(主に2kHz辺りの中高域に作用する)とTone(主に5kHz辺りの高域に作用する)を上げた理由は、音が埋もれるからです(爆
なので相対的に低域がスッキリして扱いやすいのはGAZONですね😅
中域に関しては、GAZONの方がやはり高めの帯域をピークにしてるので、明るさと抜け感がありますね。
Q.O.Oは低域に中域が飲み込まれてるといった感じで、モコモコとしちゃってます(笑
高域に関しては、Toneの司る帯域がQ.O.Oの方が高く、ザクザクとしたメタリックなサウンドを出すならQ.O.Oの方が向いてますね。
GAZONは相対的に帯域が低く(4kHz位?情報求むw)、またQ.O.OほどQも狭くないので、無難に収まってるといった雰囲気です(笑
歪量に関しては恐らく同じくらいですが、歪のキャラに違いがあり、GAZONの方がエッジが丸っこい感じで、Q.O.Oは相対的にファジーに感じられました(これがGAZONがAIABと呼ばれる所以か?)
総合的には、最初似たもの同士かと思ってたのですが、結構キャラが違ってたので甲乙付け難い雰囲気です(笑
扱いやすさや抜け感はGAZON、低域の迫力はQ.O.Oといった感じで棲み分けは出来てますね(だだしQ.O.Oは低域が強過ぎな印象もありますw)
人に薦めるなら、(扱いやすさや入手難易度、価格からして)GAZONになりますね😉
GAZON vs Bogner Ecstasy Red
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お次はBognerのフラッグシップアンプの名を冠したペダル、Ecstasy Redとの比較👊
まずはっきり書きますが、GAZONの方が圧倒的に音作りに関してのアドバンテージが高いです!!(笑
というのも、Ecstasy RedのEQにかなり癖があり、積極的に音作りしていくというよりも、EQを最適な位置に合わせて何とか良い音に修復するという感じなんですよね😅
ではまずトーンから見ていくと、低域はGAZONの方がスッキリしており、EQで上げようが下げようが破綻すること無く好みの出方に調整出来ます。
一方Ecstasy Redはというと、12時の時点でかなりモコモコする上、Q.O.Oと違ってブーミーさが出てるので、必然的に下げたくなります(笑
必要とあらばトグルスイッチのmodeをtightにし、pre eqもb1かb2に振る可能性すらありますね😅
中域に関しては、Ecstasy Redの方が出ててGAZONの方がフラットな印象です。
やはりこちらも帯域のピークに相違があり、GAZONの方がやや高めの帯域をピークにしてる印象で、明るいサウンドになってます。
高域に関してもGAZONの方が出ており、かつファジーにならない角の丸まったエッジを保っており、Ecstasy Redは逆に他のディストーションペダルと比べてもかなり劈くようなエッジ感があるので、扱いやすさはGAZONに軍配が上がりますね。
Ecstasy Redの方が3バンドEQの他各種トグルスイッチも付いてるので、音作りの幅は広いと思いきや、3バンドアクティブEQのGAZONの方が広いです(笑
ただ、かなり煮詰めた設定を行うと、Bognerの方がタイトになってアンプのような太い音にも化けるので、一概にGAZON圧勝という感じでもなさそうですね🤔
歪量はGAZONの方が強く、Ecstasy RedのGain MAX、Boost MAX、structureスイッチを20thにしてもGAZONの方が強いです。
総合的にはGAZONの方がコスパが良いという印象でした💰
GAZON vs AMT B2
ラストはBogner Triple GiantのエミュレータであるAMT B2をぶつけました👊✨
まずトーンはと言うと、低域からローミッドにかけてはB2の方が圧倒的にあります。
Q.O.Oの低域をかなり落ち着かせて使いやすくしたようなバランスで、迫力と重厚さを兼ね揃えており、相対的にGAZONが軽い音に感じます(笑
昨今は低音スッキリ型のディストーションが好まれる傾向にあるので、GAZONの方が時代に合ってるといえばそうなのですが、一聴した時のインパクトはB2だと個人的に考えてます。
ミドルはやはりGAZONの方がピークが高い所を司り、抜け感や明るさが勝ってます。
高域に関しては、GAZONは角が適度に丸くなって、ソリッドな感じを保ちつつ滑らかな雰囲気を醸し出しており、対するB2はファジーな感じが出てます。
この「ファジーな感じ」はQ.O.Oでもそうですが、恐らくチューブのSAGやサチュレーションで伴うザラっとした感じを再現したのかなと考えてます(例としてMXR 5150 ODでも感じられます)
ソロなんかはGAZONの方が音が太く抜けも良いので有利ですね。
逆にJazz Chorusなどで迫力のあるチューブアンプのような音を出したければB2(追加でEQとかトレブルブースター)の方がいいかもしれません。
EQに関しては、GAZONがアクティブタイプ、B2はパッシブタイプとなりますが、効きの強さはややB2にあり、Qが狭いのかこちらの方が音を作り込めます。
歪量に関しては両方フルでB2の方が強く、Gainつまみを回していった時の歪み始めはGAZONの方が早いです。
で、最後にお値段なのですが、2020年12月時点でGAZONが3万弱、B2はどこで買うかにも依りますが、音屋で2万弱、それ以外だと2万6千円台です。
音質やコストの面から、「ミドルモリモリなハイゲインディストーションのみ欲しい」というならば、俺はB2を推すかもしれませんね😏
やはり初見での重厚感のある低音やローミッドでこちらの方がインパクトがある上、プリアンプやキャビシミュまで付いてて機能性も抜群、しかも安いのでどうしてもこちらを推してしまいがちになりそうです(でも試奏は大事よ😘
GAZONは優れたオーバードライブとディストーションの2 in 1ペダルと捉え、どちらも演奏時に使うとなればお得ではあります😃
総評
3万弱でこのクオリティは中々半端ないです😆🤘✨
同価格帯にFriedman BE-ODやMXR 5150 OD、Bogner Ecstasy Red Mini、Suhr Riot(Reloaded)などが挙げられますが、それらとも充分渡り合えるポテンシャルはあります。
エッジが滑らか、歪の分離は良く奥行きや立体感がある、オープンなロー〜ミドルゲインディストーションとコンプレッションの効いたハイゲインディストーションの2 in 1、EQ全て12時で最初から良い音が出せ、しかもEQはアクティブタイプなので音作りの幅も比較的広めと、オールマイティに使えるディストーションですね👍✨
Megalith Delta、Diezel VH4、Ovaltone Q.O.O、AMT B2などの重低音型のペダルと比べると音圧面で劣りますが、その分高域が太く抜けるサウンドになるので、そういったペダルと併用してリードサウンドとか狙うのもいいかもしれませんね😉