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今まで使ったギターアンプやエフェクターを紹介したいと思います。

20250922 Sterling by Music Man JP60 Mystic Dream

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去年買ったのですが、普段使いとかイベントに持ってったりと使い過ぎてて当たり前になってたので、レビューするという概念が頭の中にありませんでした(爆)

Sterling by Music Man JP60 Mystic Dreamです!

 

Music Man

Music ManはFender社の創始者であるLeo FenderがFender社を退社し、1972年に立ち上げたブランドです。

ラジオ技師でもあったFender氏は最初にアンプであるHD-130をリリースし、真空管やソリッドステート問わず次々とラインナップを出し、どちらも人気を博しました。

現在でも伝説のアンプとして中古商品の人気があったりします。

 

最初にギター/ベース製造に入ったのは1976年からで、最初はベースであるStingRayが製造・販売され、その高品質さで瞬く間にヒットし、現在でも製造されてます。

1984年にギター弦で有名なErnie Ball社に買収された後は「Ernie Ball Music Man」となり、その2年後の1986年からギター製造を開始しました。

ギターに関してはSteve Mooseから始まり、Eddie Van Halen (AXIS)、Steve Lukather (LUKE III)、John Petrucci (Majesty、JP15)など80年代を代表するようなギタリストが挙ってシグネチャーを次々と出し、エンドース契約が切れたEddie以外のシグネチャーは今日でも製造・販売されてます。

 

Sterling by Music Man

Sterlingというのは元々Music Manに所属し、Ernie Ballの息子でベーシストのSterling Ballから取ったもので、StingRay開発にも深く関わりました。

両親繋がりでErnie BallにMusic Manが買収された後に廉価版として作られたブランドがSterling by Music Manで、主にインドネシアなどで製造されてます。

本家が大体70〜80万するのに対しSterlingですと10万前後なので、丁度PRSとSEの間柄と同じ価格帯かなと思います。

 

因みに今回のJP60は6万くらいで買ったのでお得でした✌️️☺️️

 

仕様

ボディはバスウッド、ネックはメイプルで出来ており、ボディはオールフィニッシュとなっております。

個人的にレスポールタイプとかは裏がナチュラルとか黒みたいな目立たない色がいいんですが、ストラトタイプとかテレキャスタイプはボディ全塗りが良いですね(というか表カラーフィニッシュ裏ナチュラルとか見た事無いかw)

指板はローズウッドで24フレットで構成されてます。

指板の幅が広く取られてる代わりにネックが極薄という形でバランスが取られており、かなり弾きやすいギターという印象です。

 

チューナーは裏通しのロッキング式で、ボディ裏のパネルをドライバーを使ってネジを外して開け、中の穴から通して表に出し、チューナーの穴に弦を通して下部のネジを閉めるとそのままロックされます。

後は余った部分を切って巻いていけば簡単にチューニングが出来るので、パネル開けは少々面倒ですがその後の工程は結構早目に終わります。

 

またトレモロブリッジにも対応してるので、アームがあればアームアップやアームダウンなど出来ます。

 

ToneとVolumeはフロントリア両対応なのでそれぞれ1つずつ、セレクターは3Wayとなってます。

 

PUはSterling専用のPUを付けてますが、Petrucciモデルという事もありかなり高出力でハイゲインサウンドには持ってこいなPUとなっている反面、センターポジションにすると何となくピエゾPUぽい音になるのが不思議です。

 

フィニッシュはPetrucciモデルではド定番のMystic Dreamというもので、基本黒緑という感じなのですが見る角度によって紫や青が出てきたりする不思議な色です。

昨今は派手なバーストカラーなどもラインナップにありますが、個人的にはやはり

Petrucciモデル=Mystic Dream

ですね。

 

総評

見た目カッコいい、音が良い、弾きやすい、軽い、24フレット、トレモロブリッジ、ロッキングチューナーと隙の無いギターという感じで、10万円台のギターでは高水準にあると思います。

AXISやLUKE IIIなども大人気のギターなのでやはりギターの質は全体的に高いんだと思います。

しかしながら昨今の楽器価格の高騰がモロに影響しているのがキツイですね😅️

(俺のみたいに)状態の良い中古が安値なら即買いです!

サウンドハウス

DJI

20250922 KAT (Knight Audio Technologies) N-Channel

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前回の記事でも紹介しましたが、Treble Booster Classicと抱き合わせ購入しましたKAT N-Channelです!

 

KATにつきましては前回の記事

に詳細に記載しましたのでそちらをご覧下さい。

 

このN-Channelは2本のECC83(12AX7)真空管を搭載したVOX AC30エミュレータで、どんなアンプでもインプットに接続すればたちまちAC30になるという代物で、更にトレブルブースターを併用すればBrian May博士のサウンドがどんなアンプからでも出せるというコンセプトで開発されました。

またサウンドサンプルにはありませんが、クリーンやダーティクリーンも作れるので、前段に歪ペダルを噛ませてAC30風味なオーバードライブやディストーション、ファズなども作れたりします。

 

インターフェース

アンプのゲインに相当するCH VOL、高域の増減に関与するTONE、音量のLEVELというシンプルな構成となってます。

電源は110-120Vで、購入時に110-120Vか220-240Vのどちらかを選べます。

交流なのでエフェクター用のパワーサプライは使用出来ず、またステップアップトランスが必要になります。

 

サウンド

動画では最初にアンプ(Dr.Z Carmen Ghia 112, Celestion Alnico Blue made in England)をマイク(Sennheiser MD421-II)録り、次にOvaltone Preampを介してSuhr ACEでのライン録音、最後にクリーンプリを介さずにSuhr ACEとPalmer PDI-03JBへ繋いだ音源となってます。

 

まずCH VOLなのですが、やはりAC30という事もありかなり低めです。

Mayday同様クランチ〜ローゲインオーバードライブ位の歪量です。

しかしCH VOLをフルにすると、トレブルブースターを噛ませた際にゲートみたいな不自然なニュアンスが掛かって変な音になるので、上げても3時くらいまでですね。

その上でTreble Booster Classicと組み合わせると、Fryer Mayday + Treble Booster Specialの組み合わせより音が前に出てくる反面、硬い音になるという印象です。

どちらも綿密な博士の音ではありますが好みが分かれそうです(個人的にはFryerシリーズの方が好きかな🤔️)

そしてやはりFryerシリーズ同様、クリーンプリアンプ噛ませずにそのままキャビシミュに送っても十分良い音が出るのでプリアンプとしても使えます。

アンプのインプットやクリーンプリアンプ噛ませた音の方が若干ブライトなサウンドになりますが、柔らか目な音が欲しければプリアンプ運用ですね。

また今回はキャビシミュを変えてどこまでAC30感を維持出来るか実験してみましたが、スピーカーのフィルターみたいな出力の相違はあるものの、やはり博士のサウンドを維持してるなと思いました。

 

総評

Fryerシリーズもかなり高いですが、こちらも相応に高価となってます。

価格的にはプリアンプもトレブルブースターも大体同じ位なので、後は音の好みで決めるのが良いかなと思います(安いプリアンプならVOX Mystic Edge、トレブルブースターとの複合体ならCatalinbread Galileoもアルヨ)

日本ではほぼ出回ってないので、他の人とは違った博士サウンドギアが欲しいなら、これは中々オススメです🤘️

サウンドハウス

DJI

20250921 KAT (Knight Audio Technologies) Treble Booster Classic

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Brown Sound/5150系AIABの次はBrian May博士のサウンド!

という事で日本未発売の代物を入手しました🇬🇧️

KAT(Knight Audio Technologies) Treble Booster Classicです!

 

Knight Audio Technologies

KAT(Knight Audio Technologies)はMay博士と同郷のイギリスに拠点を置くメーカーで、博士の音だけを徹底的に追求し、博士の音を出す為のアンプやプリアンプ、トレブルブースター、アクセサリなどを製造・販売してます。

特にトレブルブースターに関しては多種多様で、Standard版の他にFreq.(帯域指定)操作つまみの付いたPro版、本人も一時使ってたStrap-Mount版、そして本人シグネチャーのClassic版と4つもあります😳️

その他にもアンプのインプットに繋ぐだけで即席でヴィンテージVOX AC30サウンドを出力するN-Channel(後の記事に書きます)、単体で博士のVOX AC30サウンドを小音量で出すStudio Oneアンプ、オリジナルDeacyアンプは電池駆動で、電池の減り具合でサウンドが変わるのでそれをシミュレートしたDeacy Amp Battery Simulator、Deacyアンプのスピーカーを復刻したKAT DSP6.5 TC Speaker、3Wayステレオサウンドで全て、左右、中央それぞれでミュートする音を決められるMini-Rig、AC30に特化し高域の減衰を防いでフラットな特性を維持したアッテネーターのLoadstarなど博士のサウンドを追求しているファンには垂涎物のラインナップだらけです!

個人的にアンプとバッテリーシミュレーターが欲しい🤤️

 

今回入手したのはトレブルブースターの中でも最上位機種のClassicで、N-Channelと同時に入手しましたが先にこちらの説明からしていきます。

 

インターフェース

とてもシンプルで、インプットゲイン/音量/高域ブースト全てを操作するLevelと、70s/80s/90sと選択出来る3Wayスライドスイッチで構成されてます。

電源は9Vアダプターで駆動します。

Levelには70s/80s/90sにも記してあるマークが割り当てられており、例えば70sに設定した場合、Levelつまみを70sに記されてるマークのところにカーソルを合わせれば、70年代に使ってたトレブルブースターの効果が得られるという感じです。

これはあくまで予想ですが、

70s→Dallas Rangemaster Treble Booster

80s→Pete Cornish TB-83

90s→Fryer Treble Booster Tour

をシミュレートしてるのかなと考えてます。

 

サウンド

今回はサウンドサンプルはありませんが、Rangemasterがハイミッド、Fryerがミドルだとすると、KATは高い帯域寄りな気がします。

一番ゲインが高く鋭いエッジが効きます。

なので他と比べるとAC30やそれを模したAIABがモダンなサウンドになる気がしますね。

Pete Cornishが入手出来てないのでそれのサウンドもチェックしてみたいですが、今のところKATは異端です笑

70s/80s/90sではそこまで深い違いは無く、気持ちブーストする高域の帯域がシフトする感じです。

寧ろLevelつまみのカーソルの位置の方が効果が分かりやすいです。

またKAT TB 90sと手持ちのFryer TB Specialは結構音色が違うので、それを再現してるのかどうかも不明です。

 

総評

トレブルブースターは全体的に高いですが、これもその例に漏れず高いので、俺みたいに最上位が欲しいとかでなければStandardでも良いような気がします。

ただ普通のEQとかでは出ない鼻詰まり感のあるトレブルレンジやゲインのブーストは専用のトレブルブースターでしか出せないので、やはり博士のサウンド狙いならAC30かAC30系AIABとの抱き合わせ購入は必至、更にClassicは博士本人が今現在使用してるので、本人のが欲しければClassic一択です😅️

サウンドハウス

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20250921 Peavey Bandit Teal Stripe Preamp

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Peaveyプリアンプ第二弾!

前回のDecadeの記事

で5種類のプリアンプがアナウンスされる事を書きましたが、こちらはDecadeと同時にリリースされたものとなります。

Peavey Bandit Supreme Teal Stripe Preampです!

 

Peavey Bandit

Peavey BanditはPeaveyが1980年からリリースし、リニューアルを何度も繰り返して現在でも製造してます。

 

1980年:Gunsmoke Bandit 50w (Eminence Custom Speaker)

1981年:Solo Series Bandit 150w (Scorpion Speaker)

1983年:Solo Series Bandit 65w (Scorpion Speaker)

1987年:Solo Series Bandit 75w (Scorpion Speaker)

1989年:Solo Series Bandit 112 80w (Sheffield Speaker)

1996年:Transtube Series Bandit 112 80w (Sheffield Speaker)

2000年:Transtube II Series Red Stripe Bandit 112 80w (Sheffield Speaker)

2004年:Transtube II Series Red Stripe Bandit 112 80w Made in China (Sheffield Speaker)

2006年以降:Peavey Bandit with Transtube Technology 112 80w Made in China (Blue Marvel Speaker)

 

現行のモデルでもこの記事を書いてる時点で19年も経ってるのは驚きました😳️

2012年頃は3万円台で売られてましたが、現在は7万円くらいまで値上がりしてるので、中々オススメ出来ないのが玉に瑕です😂️

そして遂に2025年、長年待ち侘びたBanditのプリアンプだけを抜き出してペダル化した製品が登場しました🤘️😭️✌️️✨

こちらは恐らく1989年頃のBanditをプリアンプ化したもので、Transtube回路は開発されてはいましたがその名称は無く「tube emulation technology」と説明書に記載されてる程度でした。

なのでこちらも実質Transtube回路搭載という事になります。

各コントロールの名称も1989年のものに準じており、Peaveyの強い拘りが窺えます!

製造国は「台湾🇹🇼️」で、アンプは中国製ですがこちらのプリアンプシリーズから台湾製に切り変わってます(歓喜)

台湾製は昨今のBOSSペダルもそうですし、個人的に信頼度が非常に高いです(あと台湾自体好き🩷️)

 

 

インターフェース

Lead GainセクションにはSupersat、Postの2つのつまみとGain、Shiftの2つの押下式スイッチ、VoicingセクションにはBottom、Body、Edgeの3つのつまみがあります。

電源はお馴染み006P電池かセンターマイナスの9Vアダプターで動作します。

 

サウンド

まずSupersatはGainやDriveに当たり、歪量の調整をします。

Gainスイッチとの兼ね合いで歪量が大きく変わり、OFFならクリーン〜オーバードライブ、ONでオーバードライブ〜ハイゲインディストーションまでこなせます。

Banditと言えばハイゲインディストーションですが、クリーンやクランチもここの調整で出せます。

 

PostはDecadeの項でも書いた通り音量調整です。

 

Shiftスイッチはミドルレンジのピーキングを変える機能で、ON/OFFで後述のBodyの効き方が変わります。

 

Bottomは低域の調整で、HR/HMに特化してるのかやや下の地鳴り感を出す低域を司ります。

ADA MP-1-ChannelのLowに近い効き方ですね。

削ればVOXのような中域に寄った音になり、上げてドンシャリなどにすればMesa Boogieのようなメタルサウンドが狙えたりします🤘️

総じて使いやすいEQで個人的には結構気に入ってます😉️

 

Bodyは中域の調整で、Shiftスイッチでキャラクターが変わります。

Shift OFFだと上げても下げても何処か中域が残り、上げて70〜80年代の中域が強調されたサウンドを作るには非常に使いやすいです。

元々中域がかなり強いプリアンプなので、ここを削ってスッキリさせるのも良いです。

Shift ONだとかなり狭いQの中域を司る感じで、下げるとドンシャリメタルやFender系クリーンを作れたりします。

逆に上げると凡そ1kHz当たりの軽い中域が上がる感じで、ガッツリミッドブーストする場合はOFFの方が良いかもしれません。

 

Edgeは高域の調整で、感覚的にはMesa Boogie Mark SeriesのグラフィックEQの6600Hzに近いです。

下げれば70年代のロック、ガッツリ上げればエッジの効いた80年代メタルサウンドが出てきます🤘️🤘️🤘️

歪み方といい、全体的に中域に寄ったトーンといい、このEdgeの効き方といい、何となくMesa BoogieのMark系アンプを意識してるような気がします🤔️

 

同じくMesaっぽいなと感じたApex Preampは5150要素も半々で混じってるので、こちらのBanditの方がMesa寄りですね。

またプリアンプのKSR Ceresはどちらかと言うとMarshallをシルキーにしたような感じなので、同じハイゲインですがやや毛色が異なります。

 

総評

ハイゲインプリアンプとしては非常に優秀、しかもオマケでクリーンやクランチも作れるので万能です✌️️

ただ、クリーンやクランチに関してはDecadeの方が気持ち良いサウンドを作れるので、こちらはハイゲイン特化型とも言えます。

往年の名機Banditのフロアプリ、何処にでもBanditサウンドを持ち運べるので個人的にはイチオシです!

サウンドハウス

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20250920 Peavey Decade Preamp

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2025年1月のNAMMショーではMarshallやらRockmanやら注目のペダルが軒並み連ねましたが、Peaveyも早速衝撃のプリアンプペダルをリリースしてきました。

それはかつてPeaveyからリリースされたアンプをプリアンプ化したシリーズで、

・Bandit Supreme Teal Stripe

・Decade

・Session 400LTD

・VTM

・Rock Master

の5種類がラインナップされており、この記事を書いてる2025年9月現在ではBandit、Decade、Sessionの3つがリリースされてます。

因みに真空管を使ったVTMやRock Masterは、同社の特許であるTranstube回路に置き換えられて再現されているそうです。

今回は「Decade」を入手しましたのでレビューしていきます。

 

Peavey Decade

Peavey Decadeは80年代にリリースされた10Wで8インチスピーカー搭載の小型ソリッドステートアンプで、Transtube回路が開発される前のものです。

なので現行の練習用アンプであるBackstage IIやRage 258とは違い、ソリッドステートアンプらしいバリバリとした硬い歪のアンプでした。

通常このようなアンプは他社にも似たような音色のものがゴロゴロとあり、リサイクルショップで投げ売りされるような価格が付けられるのがオチですが、やはり有名アーティストが使って価格が暴騰しました🤣️

Queens of the Stone AgeのギタリストであるJosh Hommeが「Peavey DecadeはQOTSAサウンドの核」としてインタビューに答えた動画が瞬く間に反響を呼び、現在でも1982年当時のオリジナル品が8万以上で取引されてます(昨今Decade Tooという形でリイシュー品がリリースされてます)

なので本来であれば見向きもされなかったDecadeですが、今回プリアンプペダルのラインナップにも君臨したという感じです。

 

インターフェース

PRE、POST、LOW、MID、HIGHの5つのつまみで構成されており、PREが一般的なペダルやアンプのGainやDrive、POSTがLevelやVolumeに相当します。

6505(5150)やBandit 112(現行品)などのアンプでもこの名称が使われてるのでPeaveyではお馴染みです。

POSTだけ青いつまみになってますが、これは同社の小型練習用ソリッドステートアンプ、Decadeでも採用されてるのでそれの再現です(ただのデザインなので他意は無いです)

またバイパスの他にSaturationスイッチというものがあり、こちらを押下するとゲインブーストされます。

電源は006P電池かお馴染みセンターマイナスの9Vアダプターで動作します。

 

サウンド

まずゲイン幅が広くクリーンからディストーションまでこなせます。

元はソリッドステートアンプですが、真空管のようなザラっと少し歪んだダーティなクリーンが心地良いです。

クランチも絶品で、歪自体は粗めなのですがきめ細かく滑らかで、一般的なトランジスタアンプと比べると倍音が豊かで分離感が良く、コード弾きがとても気持ちが良いです🤘️

下手に小型真空管アンプを無理矢理歪ませて汚らしいクランチを作るより、こちらのPREを12時に持ってってアンプなりキャビシミュやIRローダーに送るなりした方が断然良い音ですね。

一方でディストーションまで深く歪ませると、輪郭が無く荒々しいファズ要素が若干あるディストーションが顔を出してきます。

RAT系やBOSS DS-1系統の標準的なディストーションという感じで特段良いというわけでもなく、これなら他のハイゲイン系フロアプリの選択肢もあるので、ハイゲインサウンドを狙ってコレを選ぶ必要性は薄いです。

またゲインブーストするSaturationスイッチも、個人的にはぶっちゃけ不要です(オリジナルのアンプに搭載されてるので致し方ありませんが)

EQについてはXで詳しく説明してますが、まずLOWはやや高めの帯域を司り、地鳴り感や迫力を追求出来るものでは無く、ブーミーで散りやすい低音という感じです。

MIDは500Hzをピークとし、かなりQを広く取った中域の調整で、音をアグレッシヴに変えるというより音の太さを調整する役割です。

HIGHはどちらかと言うとハイミッドの範疇で上げ下げし、エッジが鋭くなったりはせず音にまろやかに明るさを加える感じですね。

こういうバリバリとした歪だと、高域EQのピーキング値が高く且つQが狭いと硬さが増して耳を劈くような歪になるので(POS DT-1とかね)、この高域調整の仕様は中々良いと思いました。

 

総評

Peaveyなのでハイゲインサウンドを連想するかと思われますが、クランチやオーバードライブに特化したプリアンプ(エフェクターではありません)という感じで正にQOTSAの音の再現特化型という立ち位置ですね。

リイシューアンプが発売されてしまったので本末転倒感はありますが、スタジオに持ち運んでSend/Return付きのアンプで手軽にQOTSAサウンドを鳴らしたいとかならオススメです😉️

 

サウンドハウス

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20250920 MXR ROCKMAN X100

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ROCKMAN!!!

昨今80年代ギターサウンドブームの中、遂にJim Dunlopが重い腰を上げ、Rockmanのリイシューをリリースしました!😭️✨

MXR Rockman X100です!

 

Jim Dunlop製Rockman

Jim Dunlop(MXR)製Rockmanはいくつかあり、SR&D社を買収した直後はワウ、ボリュームワウ、SR&D社からのリイシューとしてヘッドホンアンプのACEシリーズ、Acoustic Guitar Pedal、Smart Gateなどがリリースされてきました。

余談ですが本家SR&D製とJim Dunlop製では音やニュアンスが微妙に違います。

しかしRockmanのキモとも言えるサウンドを出力するX100やハーフラックのRockmodule、XPRなどはリリースされず、微妙なラインでのリイシューだった為、そこまで人気を博すという事はありませんでした。

 

そんな中、昨今reverb.comなどでRockmanの音を他社のペダルで再現する動画を出したり、インフルエンサーが挙ってRockmanの動画を上げて再び話題となり、Rockmanのコアとなる製品のリイシューが望まれる中、遂に2025年1月のNAMMショーにおいてX100のペダルがアナウンスされ発売されました。

発売前に何人かの有名なギターインフルエンサーがYouTube上でインプレ動画を上げてましたが、それらにも反響があり発売後の1stロットは即完売、俺個人も長い期間待ち侘びて2ndロットを漸く入手出来ました😅️

 

インターフェース

CLN2、CLN、EDGE、DISTの4種の音にコーラスが付いた仕様で、X100からエコーエフェクトを抜いた仕様となってます。

4種の音はボタンを押下して切り替える方式の他に、CTRL.ジャックに専用のフットスイッチを接続して切り替えられます。

Iuput GainとVolumeはスライドバー式となり、Iuput Gainに関しては表にコントロールが移ったので非常に扱い易くなってます。

またオリジナルのヘッドホンアンプは2× Headphone OutとAUX Input/Low Level Outの2つのアウトプットがあり、モノラル出力する場合はLow Level Outに「半挿し」して出力先と繋ぐのですが、MXR版は裏蓋を開けると基盤上にステレオ/モノラル切替スイッチがあり、そこを操作することにより出力方式を変えられる仕様となってます。

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ステレオ出力する場合、

のような二軸ケーブルを挿し、出力先のステレオミキサーや2-Wayモニタースピーカーに接続します。

モノラルであれば標準的なシールドを挿せばOKです。

 

サウンド

まず全体的に音が中域寄りになってます。

DISTやEDGEでは美味しい帯域ではありますが、CLNやCLN2ではパリッとした高域がやや減衰してるので、オリジナルのような煌びやかさに欠けてます。

ただ一番被害を被った(笑)CLN2でもエレアコみたいなサウンドはなんとか出るので、別途EQを噛ませばオリジナルの音に近付けるかと思われます。

その上で音の再現度は?というと、昨今出てるRockmanのクローンやコンセプトは違うけど、似てると言われてるペダルやマルチエフェクターの中ではダントツで、下手に他社のペダルを買うよりはコレ買った方が無難です☺️️

またコーラスもX100に準じた「音を二重にし揺れが殆ど無く且つ特殊な周期を持つダブラー効果」をちゃんと再現してます。

アナログコーラスにより、デジタルとは違う独特の奥行感や立体感が良いですね🤘️

Input GainはX100に準じたオートゲインコントロールのコンプレッサーで、上げるとゲインの他にコンプレッションも強くなります。

DISTやEDGEではゲインやアタックのゴンゴン感に直結するのでDISTでは勿論上げ、EDGEではクランチ〜オーバードライブサウンドを狙うなら割と下げ目、バッキング目的のディストーションなら上げ目が良いでしょう。

またEDGEではギター側のVolを絞るとInput Gainの量でクリーン〜少し歪んだクリーンが作れるので、それも兼ねて微調整するのもいいかも知れません。

一方でCLNやCLN2の場合、Input Gainを上げるとアタック時のパコパコ感が強くなるので、アルペジオやフルコードなどナチュラルでダイナミクスの広いクリーンが欲しいなら下げ目が良いですね。

カッティングパートが多いなどパーカッシブなクリーンが欲しければ上げ目が良いでしょう。

 

総評

オリジナルとはほんの少し音が違いますがほぼ準じており、現状でRockmanサウンドを出せる機材を勧めるなら間違いなくコレですね。

ただオリジナルからエコーが取り除かれてるので仕様的にはUltralightになり、厳密には「音はX100、インターフェースはUltralight」という感じです。

個人的にエコーが装備されたDeluxe版が出そうな気がしないでもないです。Carbon CopyもDeluxe版が出ましたし。

受注生産や限定版では無く安定して手に入れられるのも強みです。

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20250920 Marshall DSL Dual Super Lead Distortion

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Marshall本家から、自社の往年のアンプの名前を冠したアンプですと?!😳️😳️😳️

という事で今緊急でブログを書いてるのですが(Youtuberか!)、入手しましたMarshall DSLペダル!

 

このMarshallのアンプの名を冠したペダルは

・1959

・JCM800

・JCM900

・DSL

・JVM

の5つが今年に入ってリリースされ、各メディアで雑誌に挙って取り上げられたり、デモンストレーション動画などが本家含めYouTubeなどで公開されるなど瞬く間に認知されることになりました。

かく言う俺も欲しくなり、楽器屋で丁度在庫があったコレを入手したという経緯でございます(DSLに関しては英国製の1wコンボモデルを持ってたので何かと思い入れがあります)

 

インターフェース

Gain、Deep、Tone、Volumeの4つで構成されています。

アンプとは違い3バンドEQはToneに統一され、またDeepはありますが中域のキャラクターを変えるTone Shiftは無いです。

電源はお馴染み006P電池かセンターマイナスの9Vアダプターで動作します。

 

サウンド

まずはアンプに繋いで鳴らしてみました。

Marshall SV20Hのそれぞれのインプットに繋ぎ、V30で鳴らしたものです。

第一印象としてはかなりファジーで、アンプライクというよりファズペダルという感じでした😨️

昔買ったSuproアンプの音を再現したというSupro Driveもファズ系の音でしたがSuproはFuzz Face、こちらのDSLはBig Muffという印象です。

(ファズペダル目的で買った訳じゃ無いんだけどなぁ😅️)

一応擁護すると、これまた昔所有してたLead12やDSL1Cもこんな感じの歪み方をします。

ただこちらのペダルの方はアンプと違って音が濃密に前に出る感じが無く、またアンプよりも輪郭が無いので音がぼやけてブホブホ鳴る印象です笑

 

つまみの効き方としては、Gainはオーバードライブ〜ファズまで網羅し、歪のキャラクター的にディストーションは無いです。

Deepはかなり下の低域を持ち上げる感じで、12時でもかなり低域が強く出るので恐らく0からアクティブEQとしてブーストしていく効果だと思われます。

Diezelのペダルに近い効き方ですね。

フルにすると迫力のある低域が出ますが、歪自体がアレなので使い勝手は微妙です😅️

Toneは高域の調整で、Qがやや狭く上げ下げで顕著にモコモコしたりキンキンになります。

Marshallらしさを出すならやや上げ目が良いでしょうが、歪自体が(ry

 

次に同社がかつてリリースしたDRP-1とライン録音で比べてみました。

DRP-1もファジーに歪むのですが、昔に出してた9004とか、Guv'norとかのペダル、昨今出てるMGシリーズはもっと滑らかで正にディストーションという感じの歪み方をするので、会社内でMarshallの歪に対する見解が大きく分かれてるのかなと推測されます。

今回のDSLはDRP-1に歪み方がかなり似ており、DSLはDRP-1をペダル化してもっとふくよかさとダイナミクスを足した印象です。

 

最後に他社のMarshall系ペダルと比べてみました。

全てAlbit A45MのプリアンプからSuhr ACEのキャビシミュを経由してミキサーに送ってます。

正直に申し上げると、他社のペダルの方がMarshallを連想させるカッコいいサウンドを出力します!

これだとMarshallのブランドに胡座をかいているようにしか聴こえない出来ですね😨️

仮にも往年のアンプの名前を冠しているのだから、その看板に恥じないサウンドを作るべきだと思いますが、現状他社のMarshall系AIABには及ばない印象です。

特にFriedman BE-ODに関しては圧倒的大差を付けられており、Marshall系のバッキング用オーバードライブ〜ハイゲインリードサウンドを即席で出すなら、若干値段が上がりますがBE-ODの方を強く勧めます。

 

総評

昨今Marshall系AIABが多数あり、名機足りうるブランドもある中、自社のアンプの名を冠したペダルとしてはかなり残念なクオリティです、、、

他のシリーズはまだ入手出来てませんが、DSLでこのクオリティですと他のペダルの出来も疑わしくなります。

あくまで個人の意見ですが、これはオススメは出来ません。

サウンドハウス

DJI