最近mngしてないので、個人的に好きなトピックの記事を書きたいと思います。
「アンプシミュレータ」というカテゴリーの製品について個人的に考えてみました。
本来エレキギターのサウンドは、
エレキギター→(エフェクター)→アンプ
となります。
ここでアンプの構造を分解してみると至極単純に書いて、
プリアンプ→パワーアンプ→スピーカー
となります。
そしてエレキギターの音をレコーディングやライブでPA出力をする場合、
アンプ→スピーカー→マイク→ミキサー→オーディオIFやFOH
となります。
今回言及している「アンプシミュ」は
・プリアンプ
・スピーカー
・マイク
までのプロセスを同梱し、本来それなりの音量で鳴らさないと本領を発揮出来無いギターサウンドを、安定したラインレベルで出力出来るようにしたものになります。
中にはパワーアンプのサチュレーションをシミュレートした物もありますが、基本的には上記の構成になります。
ここでカギとなるのが「スピーカー」です。
ギターアンプにおけるスピーカーは、60〜70年前位の古くて小型の物についてはフルレンジのもの、つまりごく普通のスピーカーが採用されてる場合もありましたが、MarshallやFenderなど当時でも高級品のものや、一部デジタルモデリング以外の現行品のアンプ全般では「ギターアンプ専用スピーカー」が搭載されている事が殆どです。
そこでフルレンジとギター専用とでどう違うのかというと、
「どこまでの帯域を鳴らすか」
になります。
フルレンジなど一般のスピーカーは低域から高域までの範囲が広く、手持ちのYAMAHA MSP-3の場合67Hz〜22kHzの範囲内で、何処をブーストするでもカットするでもなくほぼフラットに鳴らします。
それに対してギター用は75Hz〜5kHz(Celestionの場合)と非常に狭く、またスピーカーによって音質がかなり変わります。
つまりアンプやエフェクターを繋いだ先のスピーカーでもロー&ハイカットとスピーカー各々独自のイコライジングがされてギターサウンドが形成されてます。
アンプやエフェクターは出力先のスピーカーでロー&ハイカットされる前提で作られてる為、フルレンジのスピーカーで鳴らした時にカットして欲しい帯域がカットされず、結果的にバリバリとした耳に痛い高域とややブーミーな低域が出てきます。
一方アンプシミュはギター用スピーカーにおけるロー&ハイカットが施されて出力されたようなイコライジングが最初から成されてます。
つまり元から調整されてるので、フラットに出力されるラインやフルレンジスピーカーでもギターらしいサウンドが出力されます。
ではアンプシミュをギターアンプに繋げて鳴らすとどうなるのか?
まずギターからアンプシミュに繋ぎ、そこからアンプのインプットに繋ぐと理論上下記の図の順番でシグナルが形成される事になります。

つまりプリアンプを2回通り、スピーカーシミュレータを通した音をギターアンプ用のスピーカーで鳴らす事になります。
プリアンプはギターのピックアップが拾った音を増幅してパワーアンプに送る役目があるのですが、パワーアンプ直だと高域が足りないのでプリアンプ側で高域を足してパワーアンプに送ってます。
つまりプリアンプを2回通るという事は、パワーアンプに入る過程で2回高域がブーストされてるという事になります。
次にスピーカーシミュからのスピーカーですが、前述の通りスピーカーシミュもスピーカーも下は70〜75Hz、上は5kHzまでの帯域しか再生せず、それより上や下はカットされます。
つまりスピーカーシミュで加工された音をギター用スピーカーで鳴らすという事は、特定の周波数より上と下を2回カットする事になります。
すると総合的なシグナルは

となり、結果として
「低域の迫力も高域の刺激も無い、中高域が極端に目立つペラペラでスカスカなサウンド」
が出来上がります笑
そういうサウンドを作る前提なら兎も角(NirvanaのIn UteroのアルバムはSansamp ClassicをMarshallのインプットに繋いで鳴らしていた)、アンプシミュを活かすのであれば個人的にはギターアンプで鳴らさず、オーディオインターフェースに繋いでPCのDAWソフトで編集や録音をしたり、鳴らすのであればモニタースピーカーで鳴らすのがオススメです。













