6月は立て続けにmngしまくりまして、これが最終章になります(更新が遅れましたが6月時点でのmngですw
T.C Electronic G-Major 2です!
これは非Rockman系のラックを構成する際に空間系として何か入れたいな、と思って買いました😃🤘✨
ラックマウント系の空間系マルチはそれ程数は無く中古で色々探してたのですが、評判の割に安価(3万弱)だったので、コレに決めました😉
T.C Electronic
T.C Electronicは最近はBehringerに買収されて傘下となり、安くてクオリティの高いペダルというイメージが定着しつつありますが、昔は高級路線でプロギタリスト向けのエフェクターを数多く作ってました。
俺も昔持ってたStereo Chorus/Flanger + Pitch Modulatorは同社の代表作のアナログコーラスで、恐らくSongbird Tri-Chorusに次ぐ高級コーラスだった気がします。
また80年代のスタジオミュージシャンやギターヒーローが挙ってラックにマウントしてた、デジタルディレイのTC2290があり、これは昨今ディスコンで数が少ない割に需要が滅茶苦茶多いので、オークションやネットショップで出品される際は大体超高額になったりします。
以前紹介したパラメトリックEQのTC1140は、某日本の音楽ユニットのギタリストが使った事により、2021年7月現在では中古でやや高め(3~4万弱)で取引されてたりします。
その他ハイエンドマルチエフェクターでJourneyのギタリスト、Neal Schonが愛用してると有名なG-Force、古くから評判の高いフロア型マルチのNova Systemなど、今でもクオリティが高く人気の機種が多々リリースされました。
その中のG-Forceの廉価版という位置付けでこのG-Majorが発売され、更にその廉価版としてG-Sharpという1Uラックマルチも発売されました。
そのG-Majorを大幅にアップデートさせたのが、今回のG-Major2になります。
Gシリーズの違い
上記に挙げたように、T.C ElectronicのGシリーズはG-Forceを筆頭にG-Major、G-Major2、G-Sharp、そしてフロア型マルチのG-Systemとあります。
特に優れてるのはG-Forceと言われており、パッチのプリセットの数、音作りの自由度、中でも音質(Pitch関連のエフェクト)が頭一つ抜けてるそうです。
G-Sharpに関しては同時に掛けられるエフェクト数が減り、殆どプリセット式となり、細かいパラメータを弄れない仕様となっており、TC Electronicの評判のモジュレーション/空間系エフェクトを最低限堪能出来る位置付けとなってます。
G-Systemはボードに組みやすくなり、またエフェクトループも3つ搭載されてるので、非常に拡張性の高い機種となってます。
ではG-MajorとG-Major2はどのような違いがあるか?
代理店のお話によると、「Tri-Chorus」「Through-Zero Flanger」「Univibe」のエフェクトや、Reverse Delay、Intelligent Pitch Shifting、Modulated Delayなどのプリセットが追加されてるそうです。
またフロントパネルも見やすく改良されてるみたいです。
こちらはG-Majorのスペック
こちらはG-Major2のスペック
D/A変換時の遅延が0.02秒ほど改善されてます。
また周波数特性が+0/-0.1dBから+0/-0.5dBになってます。
その他の部分では特に差は無い為、単純に処理速度が上がったという感じですね🤔
インターフェース
左から押下式電源ボタン、In Level(入力時のレベル)、Out Level(マスターVol)の2つのつまみのみアナログ制御みたいです。
LCDディスプレイ
G-MajorからG-Major2にアップグレードした際に大幅にテコ入れされた箇所。
かなりの情報がこの小さいディスプレイに詰め込まれてます(笑
左端はインプットレベルの表示で、オーバーロードした際に1番上の赤色LEDが点灯して知らせてくれます👍✨
下段には現在設定中のプリセットのタイトルが表示され、ユーザープリセットの場合は自分で名前を付ける事も出来ます。
オレンジのセクションでは、まず左側にはコードが表示され、オートでチューナーが作動してます😳
その隣のMatrixは、今現在エフェクトがどの様に接続されてるかを表示し、またこれを編集する事により直列や並列などの接続の仕方を変更したりも出来ます。
Serial:全てのエフェクトを直列に繋いだ時の鳴り方を再現します。
Semi Parallel:Filter→Comp→Pitch→Chorusまでは直列、DelayとReverbを並列にして鳴らします。
Parallel:Pitch、Chorus、Delay、Reverbの4つを並列にした時の鳴りを再現します。
Serial2:Filter→Comp→Delay→Reverbの後にPitch→Chorusと続きます。
その隣のバーは各エフェクトにおけるアウトプットレベルの表示です。
PPM:エフェクトのピークレベルを表示します。
IN:エフェクトのインプットレベルを表示します。
OUT:エフェクトのアウトプットレベルを表示します。
MIX:エフェクトの原音とのミックス具合を表します。
DAMP:ノイズゲート発動時はノイズの除去量、コンプレッサー作動時はコンプの効き具合を表示します。
右端の黄色のディスプレイは現在のプリセット番号を表示し、Factory(予め内蔵されてるプリセット)、User(ユーザーが作成したプリセット)となります。
MIDIスイッチャーを繋いでる場合はMIDIの部分が点灯します。
EDITはプリセット編集中に点灯し、同時にプリセット番号も点滅します。
各種エフェクトスイッチやダイヤル
押下式の四角いスイッチは、オンにすると右上の黄色いLEDが点灯します。
また2回連続で押すとそのエフェクトのエディットモードになり、掛けるエフェクトの種類やそのエフェクトのパラメータなどを調整出来ます。
GATE | EQ
ノイズゲートとイコライザーの調整をします。
ノイズゲートはModeでDjent向けのHard、ナチュラルに効くSoftなどが選べ、またパラメータなどで細かく設定出来ます😃
EQはパラメトリック式で、Frequency(ブーストorカットしたい周波数)、Gain(ブーストorカット量)、Width(Frequencyで決めた帯域を中心とし、どれくらいの範囲でEQを動かすかを決める)を設定出来ます。
最大3つのEQを弄る事が出来ます。
ノイズゲートとは違い音作りに積極的に関わってくるので、ここで最終的な調整を施すのがいいのかなと思いました(500Hz上げて2kHzをカットし4kHzを上げ( ∩'-' )=͟͟͞͞⊃ )´д`)ドゥクシ
Levels Routing
エフェクターの繋ぎ順などを変えられます。
Serialは「Gate/EQ→Filter→Comp→Pitch→Mod→Delay→Reverb」と直列に接続されます。
Serial2は「Gate/EQ→Filter→Comp→Pitch→(Delay↔Mod)→Reverb」となり、モジュレーションがディレイ音のみに掛かります。
Semi Parallelは「Gate/EQ→Filter→Comp→Pitch→Mod→(Delay, Reverb)」とディレイとリバーブのみ並列になります。
Parallelは「Gate/EQ→Filter→Comp→(Pitch, Mod, Delay, Reverb)」とコンプレッサー以降が並列になります。
Filter
ワウやワーミートレモロ、パンなどを設定出来ます。
ワウの場合、エクスプレッションペダルなどを繋いでそれをワウにしたり、繋がなければワウ半止め系ミッドブースターとして使えます😃
(なのでお馴染みワウ半止めサウンドも勿論コレで行けます👍✨)
Resonance Filterは高域成分を大幅にカットし、超低域のみを取り出すフィルターとなってます。
ギターを繋いでベースシミュレータとして使ったり、ハイカットする最低値を125Hz〜16kHzまで決められるので、ハイカットフィルターとしても使えます。
Tremoroは文字通りトレモロで音を揺らします。
リバーブエフェクトと上手く組み合わせれば、前段にFender系のクリーンサウンドを置いてサーフ系、GS系のサウンドがお手軽に出せます🌊🏄🌊
Comp
コンプレッサーセクションなんですが、モジュレーション特化型マルチなので恐らく大概のユーザーは後ろの方に積んでると思われるので、その場合はコンプも後段で掛かります。
マスターセクションのコンプとして運用するのがいいかなと思いました。
Pitch
音程に変化を与えたり、和音を加えたり、位相をずらしたりするセクションです。
DetuneはLとRそれぞれでピッチをずらした音を重ねて出力します。
コーラスに非常に似てますが、音程の変化が無いので揺れが無く、ダブラーやハーモナイザー的な効果です(BOSTONなどのダブラー効果にはうってつけ👍✨
ディレイタイムも調整出来るので、ダブラー〜スラップバックディレイまでのエフェクトが容易に作れます(個人的にはココが重要⚠️
WhammyはDigi○echのWhammyのようなエフェクトを得られます。
俺はWhammyは使った事が無いんですが、動画とかで見た限りですと同じような効果が得られます☺️
Octaverは原音に対し上か下に1 or 2オクターブのエフェクト音を加えます。
1オクターブ下げた音を足せば、クリーンサウンドだと8ビットサウンド的な音になったり、メタル系ディストーションに使えば低音が強調されたヘヴィネスなサウンドが得られます🤘😈🤘
Pitch Shifterは原音に2ボイス分の音を加えられます。
それぞれ-1~+1オクターブの間で音程を変えられます。
またそれぞれのボイスでパンニング(ステレオで左右に振る比率)や、遅延させる際のディレイタイムなどを決められます(Brian MayのSound on sound的な事が綿密に出来ます👍✨)
Mod
コーラスやフランジャー、フェイザー、ビブラートなどのモジュレーション系を司ります。
Chorusには「伝説の」Song BirdのTri-Chorusのモデリングが入ってるのが最大の特長で、再現度も高く、この機種の人気の要因の一つとなってます(勿論普通のコーラスもちゃんと入ってます👍)
フランジャーも通常のものから、フランジングし過ぎて音が消える程アグレッシブなモードまであります✈️
またG-Majorとの差別化の一つであるUni-Vibeモードがあり、これをファズと組み合わせれば60'sのサイケロックなんかも行けますね☮️
Delay
ディレイは多種多様なモードやパラメータなどがあり、またSerial2モードでモジュレーションをディレイ音のみに掛けられるので、多彩なディレイサウンドを作る事が出来ます👍✨
Reverb
リバーブはHallやRoom、Springなど他のマルチエフェクターとかに搭載されてるようなタイプで構成され、それらをハイカットしたり、質感を変えたり、リバーブの掛かり始める速度を調整出来ます。
Springに関しては、昨今出てるペダルの方が再現度が高いかなという印象ですね🤔
サウンドサンプル
まずはPSA-1.1に入ってるAC30のモデリングに、G-Major2のEQ、ノイズゲート、コンプ、ワウフィルターを掛けてDeacy Ampのようなサウンドを狙い、更にピッチシフターを足して「サウンド・オン・サウンド」的な効果を狙ってみました(笑
(ソロがピッチシフターと全然絡み合ってないのはご了承くださいm(_ _)m
ピッチシフターの設定次第では不協和音になるので、上手くピッチを合わせるのがキモですね🤔
続いてはPSA-1.1で作った、ミドル強調型ディストーションにEQ、コンプ、レゾナンスフィルター(10kHz以上のハイカット用)、デチューン、ディレイを掛けてRockman的な音を作ってみました🤘😎🤘✨
モノホンのRockmanと比べると、ディレイ音を掛けた時に全体的に音が細くなる、コンプ感が全然違うなどの(厳しい)評価にはなりましたが、デチューンによるダブラー効果はそれなりにRockman Stereo Chorus感は出てるかなと思いました😆
(やはりEQの弄り方がシビアですな)
PSA-1.1で適当に作ったクリーンサウンドに、G-Major2のModから各種モジュレーションサウンドを組み合わせて鳴らしてみました。
やはり各種コーラスは相性が非常に良く、特にTri-Chorusモードはラグジュアリーな感じでした🍷
後はUni-Vibeが個人的には印象に残りましたね😁
60~70年代のテレビなどでよく使われたエフェクト感がモロに出てます(笑
最後はPSA-1.1で作ったドンシャリサウンドに、G-Major2のドンシャリEQ、ミドル底上げワウフィルター、オクターバー、フランジャー、ディレイ、リバーブなどを駆使してヘヴィネスなサウンドを狙ってみました🤘😈🤘✨
総評
モジュレーション、空間系マルチとして音質は頗る良く、機能も豊富で非常に有用だなと感じました。
同じセクションのものを同時掛けなどは出来ませんが(そんな機能は俺には必要無い)、接続順が変えられるのは非常に便利だと感じました👍🌟
デジタルな歪は昨今目まぐるしく進化し続けてますが、ことモジュレーション、空間系に関してはクオリティが頭打ちになってるような気がするので、パラメータ豊富なG-Major2は価格や性能を鑑みると非常に吊り合ったマルチかなと思いました。