一年前にも2クールに亘って同じような記事を書きましたが(笑)、色々なアンプやエフェクターを試してきて、(毛が生えた程度にw)耳が肥えてきたので、ちょっと綿密に書こうかなと思います(*>ω<)b
さてRockmanは「あの音」と比喩表現がされる程個性が強く一纏めにされがちで、確かに歪ませ方はほぼ一緒(コンプ→トーン回路→TL072によるクリッピング→キャビシミュ)なのですが、イコライジングにかなり違いがあり、結果として印象がガラリと変わるという点が挙げられます。
これに関しては某Rockman研究家の方が解明されましたが、俺も付随して少し深く掘り下げて行きたいと思います(*>ω<)b
X100
Rockmanで最初の歪であり、1982年に完成した歪です。
X100自体は1984年の発売ですが、無印Rockmanのマイナーチェンジ版で歪は同じと考えていいでしょう(笑
因みに1980年発売のBostonのシングル「Amanda」で既にプロトタイプが使われてたとかいう一部の噂もありますが、チラ裏程度に考えてます(笑
歪はRockmanの中でも一番弱く、レンジも狭いです。
JC-40での場合ですが、他のRockman製品と比べると薄っぺらいサウンドに聴こえるかもしれません(笑
これはイヤホンやミキサーに直接繋ぐため、敢えて高域と低域を削り、2kHz辺りのハイミッドを上げる事によりキャビシミュ的な役割を担う為とも取れます。
なので、X100をサウンドカードやパワードモニターなんかに繋いで鳴らしてると、4×12"みたいな大型キャビには流石に及びませんが、そこそこ迫れるくらいの奥行感、レンジ感は得られます。
言ってみれば直後に出るSustainorのプロトタイプみたいな位置付けの歪なので、性質は非常に似てます。
丁度Sustainorのレンジを狭くして歪量を落とし、2kHzのハイミッドをやや上げたようなサウンドですね😊🤘
Sustainor
アルバム「Third Stage」以降のBostonサウンドの要となる、Rockmanでも代表的部類に入るハーフラックエフェクター🐬💙🐳
今回の記事ではこちらの機種を基準にして書いていくつもりですm(__)m
まず何故Rockmanの歪が「あの音」とか「ほかの機種では再現出来ない」みたいに言われてるかと言うと、歪ませ方が根本的に他の機種とは違うんです🔍🧐
それは、強烈なコンプを掛けて弱い歪を無理やり輪郭形成してるという稀有なやり方で音を作っているという点です。
その方法によりきめ細かい歪は得られず、ローゲインオーバードライブのような滑らかさがあり、かつコンプで歪の輪郭が際立ってる為、単音に存在感があり、和音では特有のゴンゴンという感じのピッキングが聴け、音が伸びていきます。
その上でSustainorのトーンを述べていくと、250〜500Hz辺りの帯域がやや多め、2kHzが局所的に減衰し、4kHz辺りがまた上がってます。
65Hz以下と5kHz以上は全てカットされてます。
Phase Notcherをオンにすると、Freqのスライダーで設定した帯域をピンポイントでカットし、4×12"キャビネットのスピーカー干渉効果のシミュレートを得られるようになってます。
Distortion Generator
一年前の記事では、
「Rockmanでは一番歪む」
と書きましたが、改めて検証すると一番歪むのは後述のXPRであり、こちらはラッチ信号でアクティブに出来るLead Leveler Boostを使っても二番目だと思いました😓
歪の量はSustainorよりかなり大目になり、きめ細かさが上がってます。
これによりRockman特有の癖がやや薄れ、比較的使いやすいディストーションにはなってます
(が、強烈なコンプは顕在なのでRockmanの音には変わりがないw)
トーンに関しては、Sustainorから低音が大幅にカットされてます。
これは俺も尊敬してる某Rockman研究家の方が立証して頂きました。
(10年越しに気付いた自分が悔しい😭😭😭)
ではどの辺りがカットされてるか?というと、少なくとも250Hz以下が綺麗に無くなってます(爆
これによりSustainorより臨場感が無くなり、ミドルの抜けが向上し、鼻詰まり感が強くなってます。
Sustainorより「ディストーション」という感じはありますが、やはりどうしても低音がスッカスカになってるのが違和感ありますね(笑
寧ろ初出のX100よりも低音が無いです(笑
(最初買った時はこれがデフォだったので、寧ろSustainorの方がミドルが埋もれフラットで旨味に欠けるような印象だったw)
XPR
普段はSustainorを多用してるのですが、久しぶりに引っ張り出して検証しました(笑
やはり90年代のトーンや歪量の要求に対応してるのか、ブラッシュアップされ一番モダンな感じになってます(90'sな雰囲気はバリバリ出てますがw)
歪量は大幅に増え、6段階セレクションの上から2番目がSustainorと同じくらい、1番上がDistortion Generatnorより歪むという感じです。
これにより歪みのきめ細かさが増し、コンプのアタックはやや薄れる代わりにサスティンは伸び、他のモジュールに比べるとピッキング時の癖が緩和し、一番使いやすい仕様になってます。
トーンに関しても同様で、他の機種に比べると低音と高音のレンジが広がり、自然で現代的なサウンドになってます。
Rockmanで一番使いやすい歪は?と訊かれたら迷わずXPRを推します(超高いけどw)
但しRockmanよろしく特定の低域と高域がザックリとカットされてるので、MesaのRectifierシリーズみたいに重低音やザクザクと攻撃的なエッジを効かせる事は不可能です(笑
MIDI制御で設定幅が狭いのでは?と時折聞かれますが、他のモジュールは主にコンプレッションやサスティン、(かなり設定幅の狭いw)トーンコントロールのみなので、寧ろ6段階のトーン、プリアンプの前段と後段に設定されたグライコ(特に後段の5バンド)、マスターセクションで(かなり効きの良い)ブーストやカットが行えるBassとTrebleなどがあるXPRの方が断然広いです😉✌️✨
(寧ろ一般的なペダルより広いとさえ思ってますw)
まとめ
いつ弾いてもやはり稀有な歪でした(笑
時代を追うごとにどんどん(当時の)世間の求める音に寄り添っていってるな、と思いましたね😊
個人的にはDistortion Generatnorのトーンに150Hz辺りの低音をピンポイントで大幅に加えたような音が好きで、Sustainorに繋いでるEQもそんな感じの設定にしてます😉
やはり一番癖が強いのはSustainor(かX100)で、これぞ正しくBostonの音という感じです🐬💙🐬🐳
癖が強いゆえに俺は一番好きですね😍
しかしながらRockman独特のイコライジングは根本的にどれも変わらず、ミドルの出方や低域と高域のカットのされ方は徹底しており、これが所謂「あの音」を連想させる要素なのかなと思います。