今回は老舗アンプメーカーのRivera Amplificationから発売されてるペダル、Double Shaman(以下DS)の感想を書きます(^o^)/
Rivera AmplificationはPaul Riveraという、元Fenderアンプのエンジニア部門にいた人が設立した会社です。
Fender時代にTwin Reverb II、Deluxe Reverb IIやSuper Champなどの名機を生み出し、本来のFenderアンプを踏襲し且つ独特のリッチな雰囲気を加えたようなクリーンや、絶妙にイコライジングされたミドルレンジを加えた重厚なディストーションを出力するのが特長で、主に80年代のAOR系スタジオミュージシャンの間で瞬く間に広まりました。
退社後は自ら会社を設立し、自身のアンプの製造の他、アンプやエフェクターのモディファイなども行い、Jay GraydonやSteve LucatherといったAOR系超大物ギタリストのシグネチャーを手掛けたり、Knuckleheadといった重低音バリバリのモダンヘヴィネスなアンプを開発したりとジャンルを問わず幅広くニーズに合わせてます。
また00年代半ばからはこれまた世間のニーズに合わせて10~12インチ1発の小型コンボアンプも開発し、グッドデザイン賞的な賞も取ったとかなんとか(どっかで見た記事なのでうる覚えですいませんw
今回はそんなアンプ界の超大御所から出たディストーションペダルの紹介になります。
Riveraのエフェクターに関しては、初期はコーラスのBOSS CE-1を改造したものが特に有名で、ヴィンテージ価値はオリジナルよりも高かったような気がします(;^_^A
今回のDS含むShamanシリーズは割と最近、6~7年前位前から発売されてました。
ラインナップは、
Metal Shaman (ハイゲインディストーション)
Double Shaman (2chオーバードライブ/ディストーション)
Blues Shaman (ブースト付きオーバードライブ)
Sustain Shaman (コンプ)
3D Shaman (コーラス)
Acoustic Chorus Shaman (アコギ用コーラス)
となっており、クリーンorディストーションにコーラスやコンプを掛ける80年代サウンドから90年代のヘヴィメタルまで、自身の得意分野に的を絞ってる感じです。
おそらく3D Shamanに関しては改造BOSS CE-1をモチーフに作られてるのかなと思い、これも気になるところです(笑
さて、今回のDSは2ch仕様となってまして、それぞれが全く違うトーンや歪み方をするため「2 in 1」ペダルの印象が強いです(つまり考えようによってはお買い得?w)
日本での相場は国内正規品、並行輸入品問わず3万強~4万弱位なので、1つの値段が2万弱のペダルを2つ買った感じですかね(笑
では、その位のクオリティがあるかどうかを(俺の糞耳で申し訳ないんですがw)実験しました(^o^)/
・インターフェース
エフェクターではお馴染みのVol、Tone、Driveの3ノブと「Stack/Combo」切替の2wayトグルスイッチで音色を構成し、Destinationスイッチで各々のchを切り替える仕組みになってます。
それぞれのchに独立してトーンコントロールが設けられてるため、片方でヘヴィなディストーション、もう片方でリズムパートやクランチなんかを作ったり出来、プリアンプ的な使い方が出来るようになってます。
全てオフにするTrue Bypassボタンもついてるので、アンプ側がクリーンであれば3chとも見なせますねd('∀'*)
・各々のch
DSはShamanシリーズでも特にプッシュされてる商品で、この2ch仕様には特別なこだわりがありそうなので詳しく書きます(*´ェ`*)
まずAustin chから見てきますと、こちらはヘッドルームが広い、クランチやリズムパート向けの印象です。
箱鳴りとは違うズンズンとした低音に煌びやかな高音が感じられ、ゲインを上げても音の粒が際立ち、ドライブ感は少ないです。
謳い文句だとSRVのサウンドを狙ったとの事で、おそらく自身が手掛けたRiveraやFender、Dumble SSS辺りのアンプにTSを噛ませたような音を狙ったんじゃないかなと推測してます。
デラリバにTS噛ませて余計な低音を削ぎ落としてミドルをモリモリ追加したような音になるのでそんな感じがしました(笑
次にL.A.のchですが、こちらは80年代ハードロックサウンドを狙ったとの事で、確かに豊富なミドルレンジ、きめ細かくカラッと爽快に歪む感じは正に80's!Y(><。)Y
しかしながら、一部ではブラウンサウンドを狙ったと言われてますが、俺的には違うと思います。
どちらかと言うとFender Hot-RodとかSuper Sonic、TOTO最初期にLukeが使ってたRivera改造デラリバの音ですね。
ブラウンサウンドやMarshallのような高域の派手さや荒っぽさは無いです。
Austinに比べると低域と高域がごっそり削られ、ミドルレンジが大幅にブーストされ、歪みがよりきめ細かくなり、滑らかに歪みます。
なのでAustin側ではゲインを落としてリズムパートにし、L.A.をリードとかにするのがセオリーかなと思います(^o^)/
・Toneノブの効き具合と「Stack/Combo」とSUG感
Toneノブに関しては、TS系よろしく12時を中心に高域の増減になります。
可変範囲(パライコで言うQ)は狭く、2kHz辺りの増減なので上げれば刺激的、下げればモコモコな音になります。
「Stack/Combo」スイッチはシングルかハムかのPUにおける低域の調整で、Stackにするとシングル向けに低音が強調され、Comboはハム向けに低音がタイトになり削ぎ落とされます。
ハムPUでStackモードにして試したところ、やはり製作者の思惑通り低音がブーミーになり使いづらいです(笑
効き方としてはBogner BurnleyやWessexのトグルスイッチとまんま一緒です。
で、このエフェクターはStackやらComboやら謳ってるから、アンプライク系エフェクターではないのか?と前々から気になってたので、試しにSUGの王様(?)、Orange Baxと比べたところ、Baxではチューブ独特のザラザラ感が感じられ、DSでは相対的にこじんまりとした印象です。
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しかしながらチューブ独特のふくよかさ、空気感がしっかりと現れ、何となく綺麗に纏まった感、音圧が足りず音が前に出てこない感じは僅かにエフェクターらしさはあるものの、極めてチューブアンプライクである事は間違いないです(^o^)/
またギターvolへの追従性も良く、立ち上がりはやや遅めですが、それがチューブアンプらしさが出てて俺的には好印象d(゚∀゚。)デス!!
・どんなジャンルに合うか?
まずL.A.はマジで80's HR/HM一択です(爆
ブラウンサウンドとはやや傾向は違うものの、EVHなんかも割と行けますd('∀'*)
また歪み方に独特の爽やかさがあるので、やはり昔に書いた記事の通りAOR系のリードギターなんかにもうってつけですね(*´ェ`*)
(AOR系で使う際は同社の3D Shamanも併用して下さいm(__)m
まあ総じて80年代のアンプサウンドという感じです(笑
一方Austinの方ですが、こちらはクランチで使う分には結構幅広く使えますね。
ロックやポップスでジャッキジャキにコードをかき鳴らすようなやつとか、音の分離がいいのでアルペジオなんかにも最適です(^。^)
但し豊富なミドルレンジがフィルターのように付随してるので、何となく古めかしい感じもまとわりついてます(笑
歌モノなんかの音楽をやるには、Tone上げ目にしてエッジを際立たせる音作りが良いかもです。
逆にブルースやマージビート、ジャズなんかをやる場合は、ミドルが絶妙に効いてるので音抜けは良く、Toneを若干下げてウォームなトーンを狙ってもいいかもしれませんd('∀'*)
・総評
BognerやFriedman、Suhrほど有名ではなく、また値段も中々高価なので手を出しづらいというのが尾を引っ張ってる感じがしますが、俺的にはかなりの傑作です(´>ω∂`)