超久々にこのアンプについて記事にします(;^_^A
と言うのは、約3年弱位前に国内正規品が取扱終了となり、つい最近まで某楽器専門ネットショップにて120V仕様の直輸入品しか手に入らない状況だったのですが、それも遂に終わってしまったため、俺的に思い入れが非常に深かったのと、2018年10月時点で本家サイトではディスコンのアナウンスがされてないので、
「また再販されるっしょ(^o^)/」
という願いも込めての理由です(笑
(でも海外でもAmazonに在庫僅か、reverb.comやebayでは中古品しかない為ディスコンの可能性が極めて高いです😭
久しぶりに記事にしたのですが、当時の記事(20170331 Tech21 Trademark 30 - Guitar Stuff Blog)にインターフェースなどが詳しく書かれてたり、使った感想も今と変わらないので、こちらを参考にしてもらえれば助かります(^^)
今では「チューブアンプライク」と呼ばれるエフェクターは多数有り、D.I.経由のPC用スピーカー対応のソフトウェアなどもクオリティが高く、「Sansamp」が猛威を奮ってた時代(90年代初頭辺り)に比べて陰りを見せてますが、それでもトーンや歪み方などは「チューブアンプライクな」ローorハイゲインペダルと充分渡り合える性能は持ってると思います。
そのTM30ですが、元になった「GT2」よりかなり後発で、発売されたのは00年代後半くらいだったような気がします。
余談ですがTM60より10、30の方が新しいです。
発売されて数年は非常に画期的な機材でした。
GT2の機能はそのままに、スプリングリバーブ付きのコンボアンプとしても使え、10インチスピーカーを詰んでるのにパス10とそう変わらない幅で非常にコンパクト、更にGT2を積んでるのに発売当時は3万5~6千円と安価だった為、Sansampユーザーは勿論、プロアマ問わず話題になったのを覚えてます。
俺はコレを手に入れるまで、ソリッドステートアンプの基準は
Marshall MG15FX > その他大勢(爆)
でしたね(*´ェ`*)
Rockmanを繋いで漸くパス10やFrontman 15R、Orange Crush 20LDX辺りがマシな音になるな、って感じでした(笑
それぐらい機材経験が乏しかった時分に、このチューブのようなウォームでファットな歪、トーンは斬新でしたね(-。-)y-゜゜゜
歪に粘りがあるし音が前に出る、歪の粒は今まで使ってたザラザラでファジーな正にトランジスタという物とは一線を画す、弾いてて心地の良いものでした。
その後(Mesaのアンプの資金繰りの為w)手放しましたが、国内正規品として舞い戻ってきておりますm(__)m
・クランチサウンド
このアンプがよく評価される点として、クランチの良さが挙げられます。
従来のソリッドステートアンプはクリーンが素直で、歪はエッジの立った深くファジーなディストーションというのが一般的な見解でした。
若しくはJC-120の様に、まるで過大入力で音が割れたような印象を与える歪ですかね笑
真空管はその構造上どうしても歪は発生するのですが、自然に緩やかに歪んでいき、人の耳に心地良い歪なので業界では今日でも定番ですが、ソリッドステートは元々歪ませる前提で作られてる物ではなく、真空管みたいに歪ませようと入力ゲインを上げると、ある一定の利得を超えると急激に歪むので、絶妙な匙加減を各々で決められるクランチはおろか、歪のキャラ自体も皆一律揃ってバリバリザラザラなものでした(爆
今は所持してないので記憶は朧気なんですが、Marshall MG15FXも歪のエッジが丸く削られて滑らかなのは良いんですが、クランチに関してはChはあるもののやはりミドルゲインディストーションな位には歪んでました。
そこに登場したのがGT2やTM30で、これはSansamp独自の技術によりフルソリッドステートでありながら、温かみのあるチューブのクランチのようなサウンドが出せたので、ブルースやジャズなんかやる人にも好評だった記憶があります(*´ェ`*)
勿論Fender Tweed系をモチーフにしたクリーンや、Marshall、Mesa Boogie系のロー~ハイゲインもカバーしており、キャビシミュも兼ねて音作りの幅がこれ1台でかなり広いです。
・キャビシミュについて
GT2ではFlat、Center、Off Axisとマイクの位置をシミュレートするのに対し、TM30ではFlat、U.K.、U.S.という表記になってます。
これに関しては表記の違い位で、効き方は過去の記事通りです。
因みに個人的な主観なのですが、おそらくこのアンプのリターンの後にも何かフィルターのようなものが入ってる気がします。
これについては後述します。
キャビシミュが搭載されてるのでアンプ以外の各機材への出力も容易となっており、これも当時としては大変便利で扱いやすい機能だったと思います。
一応Rockman X100とかMarshall MGシリーズなどにもヘッドホンアウトにキャビシミュは搭載されてはいましたが、キャビシミュの選択肢が3つもあり、XLR端子をも備えてるのが斬新でした。
・1chしかない
賞賛されていたTM30ですが、ユーザーによってはコレがかなり不満という意見が多いです(;^_^A
元がGT2なので仕方ないんですが(笑)、クリーンもオーバードライブも良い音なので使い分けたい人が多かったのかもしれないですね。
・歪エフェクターの乗り具合
これに関してはInputとReturnで雲泥の差で、Inputだと恐らくDIPスイッチのアンプタイプをTweed、ゲインプリセットをCleanと選んでスピーカータイプを変更しながら調整していくと思うのですが、どう組み合わせても正直乗りは良くありません(笑
多分GT2の回路をそのまんま積んでるので、
OD or DS or Fuzzペダル → GT2 → パワーアンプ
という接続になり、GT2のキャラが最終的に優先されるためかな、と考えてます(´-`).。oO
例えばPeaveyのTranstube回路は多分チューブらしいニュアンス、特徴を付加するフィルターみたいな位置付けなのでエフェクターの乗りは抜群にいいんですが、こちらはプリアンプがエフェクターみたいなものですからね(;^_^A
逆にReturnに接続すると、実質GT2の後に歪が来るので相性はいいですY(><。)Y
しかも通常のアンプみたいにモコモコした音にはならず、パワーアンプやスピーカーがGT2専用にチューニングされてるのかReturnに繋いだ歪ペダルをかなりTM30らしいトーンに変換します(笑
試しに2台の新し目のアンプライク系ペダルをTM30の音と比べてみました。
比べ方は以下の通りです。
・ギター → TM30のInput
・ギター → 各ペダル → TM30のReturn
・ギター → 各ペダル → JC-40のInput
パワーアンプ、スピーカーは同じ条件でTM30のプリアンプとの比較と、比較的エフェクターのカラーを尊重するJC-40で鳴らした時の音と比べる感じです。
まずTM30のReturnで鳴らした場合、プリアンプの設定によってはかなり似通った音を出力します。
気付いたのが、TM30のリターン以降のセクションでやはり高音と低音を意図的に削るフィルターがある事です。
Megalithだと分かりやすかったのですが、JC-40だと重低音やハイゲインのメタリック(笑)なエッジを立たせることが出来るのですが、TM30だとMegalith側でどう設定してもエッジが立たず、低音がごっそりと削られ、ミドルが強調された古めかしい音になります(笑
REVV G3の場合、Diezelの様に高音と低音が加工されてるので、よりTM30のプリアンプに近い音を奏でました(^^)
ただ全く同じという訳でもなく、双方ともペダル側はチューブアンプらしく指にまとわりつく感じ、粘りみたいなニュアンスがあり、それはTM30のプリアンプには感じられませんでした。
歪の粒の分離感、パワーコードでの奥行感などは引けを取らないので、やはりTM30は当時の技術ではとてつもない物だと認識させられました( ゚д゚)
・GT2 or TM10 or 30?
これは完全に個人的見解になるので、参考程度に書いときます。
・フロアプリとしてボードに収めたい = GT2
・自宅や楽屋とかで気軽にGT2の音を出したい、練習したい = TM10 or 30
・小規模なスペースでエフェクター使わずにコンボアンプ持ち込んでライブしたい = TM30
ざっくりと書くとこんな感じです。
ただTM10に関しては、2018年10月現在では中古品を買うのはあまりオススメ出来ないですね(;^_^A
何故なら大体楽器屋とかオクで出品されてるものはどこかしらに欠陥を抱えてるものが多く、特にスプリングリバーブユニットが破損してるものが多く見受けられます。
「ミドルレンジを追加したGT2の音だけが欲しい!」
「省スペースで手軽にGT2の音色を楽しみたい!」
という人にも、やはり経年劣化でポットにガリとかあったりするので、だったらリスキーな中古のTM10より、ちょっとだけ奮発して中古でも状態の良いのが多いTM30の方がオススメかな、と俺は思いますm(__)m
因みにTM30でも中古品でリバーブユニットに故障があるものが時折出てるので、壊れやすいのかな?と考えてます(´-`).。oO
リバーブユニットはアキュトロニクス製の大変品質の良い物なんですが、音が良くても壊れやすいということですかね?(笑
俺としてはやはりミドルレンジ、それも500Hz帯を弄れるTM30が好きですね。
・各メーカーがアナログorデジタルの3万~4万円台の自宅用コンボアンプを出してるけど、それに引けを取らない宣伝文句は?
まずGT2並びにSansamp搭載製品は90年代初頭に爆発的にヒットし、多くのプロが使ったという実績があり、今日まで定評があります。
まず3~4万円台の真空管アンプと比較した場合、ミドル~ハイゲインにかけてならTM30の方が使いやすいと思います。
クリーンやクランチなら真空管の方が鈴鳴り感、立体感がありますが、オールラウンドに使え、メンテに神経を使わないTM30の方が扱いやすいのかな、と俺は思います。
真空管アンプで手軽にハイゲインを求めるなら7~8万位からかな、と思ってます(2018年10月時点でのPeavey 6505+ Combo、Marshall DSL20Cの価格基準ですw)
次に3~4万円台の最新DSP搭載のデジタルモデリングアンプと比べた場合、モデリング数やエフェクト、拡張機能は断然モデリングの方が多く、それにより自分の好みの音色を探し出すことも容易です。
メタルやハードコアならモデリングの方が断然良いと思います。
ただ、TM30に搭載されてる音色が好きで、それをモデリングで再現しても、なんか膜が張ってるといいますか、音が前に出てこない感はありますね。
それがTM30にはある生々しさに及ばないです。
そう考えると、
・数々のアーティストが使ったSansamp GT2の音。
・同価格帯の真空管よりハイゲインサウンドは良く、メンテフリーで軽い。
・デジタルより音が前に出て、真空管らしく生々しい音が出る。
・上記の理由から真空管とデジタルの良いとこ取り(笑)
という結論です(v^ー°)
因みにプリアンプに12AX7などの真空管を搭載したハイブリッドモデリングアンプとかもあり、使ったこともありますが、真空管のような粘り、空気感などはあるもののやはり音が前に出てこないという感じでした。
また似たようなスペックでPeavey Enboy 110というものがあり、こちらはお馴染みTranstube回路搭載でクリーン、クランチ、ハイゲインなんでもござれという強敵ですが、筐体がコンパクトで軽量という点でTM30に分があり、またトーンのレンジはEnboyに分がありますが、トーンコントロールはアクティブ/パッシヴタイプで且つDIPスイッチがあるので、音作りの広さでは勝ってます。
(あとリバーブはアキュトロニクス製のスプリングリバーブですv(。・・。)
長々と書きましたが、かなり個人的な思い入れが強いのでご了承ください笑
昨今Tech21はベース用の機材に注力しており、ギター専用のSansampに関してはアンプやキャラシリーズがどんどんディスコンになるなど悲しい状況が続いております(´д⊂)
TM30やTM10に関しては一定の需要があると思うので、発売継続されるべきだと思ってますm(__)m