金が無いと書きつつ買いました(爆
今回紹介するのはCatalinbread Formula No.55(以下No.55)です。
Catalinbreadはアメリカのペダルビルダーで、極初期は個人制作のハンドビルドメーカーでした。
(恐らく)一人で作ってた為生産台数は極めて少ないにもかかわらず評判が極めてよく、「隠れた名ビルダー」的な扱いをされてた記憶が5年くらい前にありました(;^_^A
当時はMad ProfessorやWamplerなどのブティック系ハンドメイドエフェクターが流行っており、その流れの一つなような気もします。
代表作はコレの他、Hiwatt系のアンプにかなり固執しており、Custom 100をモチーフにしたWIIO(「I」と「I」の間に「-」を入れるとThe WHOになるw)と、Led ZeppelinのRoyal Albert Hallでのライブで使われたハイゲイン改造Hiwatt + Marshallキャビを組み合わせた音を再現したRAH、Marshall SLP / Super Bassを再現したDirty Little Secret辺りでしょうか。
他にもEchoplex EP-3やFender 63' Reverbを再現した空間系など色々あり、それらも全体的に評判が高いです(個人的に一時期Topanga Reverbが欲しかったですw)
また業界全体でFender系のアンプライクエフェクターはそんなに無く、Tech21やAMT,Wamplerがシリーズ物として出してるものしか見当たらなかった記憶があり、当時Sansamp Blondeに失望した俺はWamplerかコレをいずれ買おうかな、と思ってました(´-`).。oO
で、Triple Wreckの音を聴き続け、だんだん眉を顰めるようになってきて、同社のVOXエミュレータであるAce ThirtyもWampler独特の癖があるという噂を聞き、Tweed '57と迷った挙句No.55の方にしました。
No.55はFender Tweed Deluxeのエミュレータです。
元々同社にFormula No.5というエフェクターが在り、それのアップデート版になります。
PresenseノブとLow / High Gainスイッチの追加で、基本構造は変わらないそうです。
・No.5やNo.55とやたら「5」に拘る理由は?
俺もFenderアンプには疎いんですが、Tweed Deluxeに使われてる回路が5E3というものらしく、そこから来てるそうです。
同社にFormula 5F6というエフェクターもありますが、こちらの5F6はBassmanで使われた回路だそうです。
5F6ではなくNo.55を選んだ理由は、完全に趣向です(爆
・コントロール
Volume (Gain)、Master (Volume)、Tone、Presense (5kHzのブーストorカット)の4ノブとHigh / Low Gainスイッチで構成されてます。
電源は9~18V駆動で、一応3~4Vでも動かせるそうです。
ヘッドルームや歪量が使ってる電圧でリニアに変わるそうで、お好みで使って欲しいとの事。
・どんな音?
完全にヴィンテージ系アンプの音です(笑
歪は粗く丸く太く、低音は極めてブーミー、もっちりした歪が特徴です。
Low Gainモードだとクリーン~クランチまでを出力出来、JCなどに使った場合EQは変えずに硬いクリーンを即座に柔らかく太い音に変換してくれます。
トランジスタだとチューブアンプのニュアンスに変換という感じですね。
ゲインを上げてクランチにしていくと、JCそのままだとカチカチでコンプレッションが目立つクリーンが浄化(笑)され、チューブ独特のSAG感が際立ってきます。
なんつーか粗い歪が付与され、音は潰れてるけど倍音が物凄い出てる、ヴィンテージファズみたいな音ですね。
これはBogner La Grangeのローゲイン設定やJHS Twin Twelveなどに通ずるものがあるので、今度比較記事で検証します(笑
High GainモードもLowの延長という感じで、音量とゲインが上がる位で基本同じ、クランチからミドルゲインまでのオーバードライブを再現します。
このミドルゲインのオーバードライブが特徴的で、Gain 1時くらいなので多分そんなに歪んではいないと思うんですが聴覚上は歪んでるように聴こえるんですよね(^^;;
これが不思議なので神経集中させて聴いた感じですが、単音に含まれる倍音が多く明瞭で、それをコードで弾くとそれらの成分(食品の原材料かw)が折り重なって歪んでるように聴こえるのかな?と思ってます。
極初期のTweedアンプが意外にもかなり歪んでるという意見が散見されますが、多分同じ原理で、逆に言えばその歪み方を綿密に再現してるんでしょう。
・ニュアンスやギターVolへの反応性
まずコンプ感が極めて少ないので、ピッキング時の強弱はJCクリーンそのままよりも顕著に出ます。
誤魔化しが利かないので、(俺みたいな)下手が使うとモロに下手さが反映されます(のでちょっと異議申し立ry
またローゲインな為、昨今のモダンミドル〜ハイゲインのチューブアンプorエミュレートペダルで散見される指に纒わり付く感じや粘りみたいなものも皆無で、Twin Twelveとほぼ同じ感触です。
なので昔のヴィンテージアンプが如何に歪ませないようにするか、という事に念頭を置いていたかというのが伺えますねσ(-ω-*)フム
ギターVolへの反応もかなり良く、リニアに変化していく辺りがチューブのそれに近いです。
総じてピッキングの練習にはもってこいでしょう(笑
・EQの効き方は?
Toneは12時でフラット、左に回しきると音がモッコモコになり、右だとギャンギャン高音が目立つ、かなり可変値が広い仕様です。
個人的にはどちらかに回し切る設定はあまり好きではなく、12時を基準に微調整するのがいいかなと思います。
元々12時で殆どのトーンが確立してる感じなので、敢えてどちらかに振り切る必要は無いかなという感じです。
逆にPresenseはそこまで可変値が広くなく、5kHz帯での音の硬さや倍音成分の微調整に留まってる感じです。
具体的に書くと、下げれば音の輪郭が失われ温かみがあるイナたいヴィンテージ系の音、上げれば輪郭が際立ちエッジが若干強調されたサウンドになります。
これも12時を基準に適宜微調整するのがやりやすいです。
・9Vと18Vの違い
公式の謳い文句では、
「9Vと18Vでは音色を使い分ける事が出来、9Vだとヘッドルームを低くして歪量を上げ、18Vだと太く分離感のある、よりアンプライクな音になる。3~4Vならヘタった真空管のような独特のサウンドまで再現出来るよ(^o^)/」
みたいな感じですが、実際どうなのか?
まず結論を書くと、音量は大幅に変わります。
で、歪量に関しては個人差があると思いますが、そんなに変わらない?(笑
9Vの方がほんの僅かにシャリシャリした歪が感じられたので上がってるのかな?位でした。
音量が変わる方がかなり目立つので、俺的には18V一択ですね(-。-)y-゜゜゜
3〜4Vに関してはヘタった電池か、リニアに電圧を可変出来るパワーサプライが無いので何とも言えませんが、まあ予想だと低音がすっぽ抜けた薄っぺらそうな歪になりそうな気がします(笑
・どんなジャンルに合う?
何分歪の粒の特徴やトーンがヴィンテージ感満載なので、ブルース、ジャズ(フュージョン)、50〜60年代辺りのロックですかね。
クランチが中々使い勝手が良いのでオルタナやJ-POPとかも良いと思います。
個人的にはやはりTwin TwelveやLa Grangeの影がちらつく感じなので、今度比較記事を載せたいですね。
またFender Tweed Ampの名を冠してるため、当然(笑)Tech21 Sansamp ClassicやTM30も比較対象になる為今度記事を書きたいと思います。
また(爆)謳い文句では、
「良質なチューブアンプに繋いでこそ真価を発揮するよ!初心者用のグレードの低いチューブアンプだと良さがわからないかも(´>∂`)てへぺろ☆」
みたいな(ふざけたw)言い回しもあったので(勘違いならさーせんw)、メサのクリーンサウンドに繋いで試してみたいと思います。
ヴィンテージ系のローゲインオーバードライブとして見ればTwin Twelveと並び傑作だと思います。
特に歪の粒の分離感が半端無く、高域の操作に集中してるので聴いてて分かりやすい、操作にとっかかりやすいのもポイントですね。
またヴィンテージ系と言ってもクランチがかなり味わいがあり品質が良く、歌モノのバッキングなんかでも抜群に使えると思います。
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