Guitar Stuff Blog

今まで使ったギターアンプやエフェクターを紹介したいと思います。

20170828 個人的アンプ考(ソリッドステート編)

Banditも再購入したので、アナログのソリッドステートアンプについて自身の経験から書いていきたいと思います。

 

まず、ソリッドステートはチューブとは違い、音の良し悪しの落差が激しいと思います。

というのは、チューブは文字通り真空管を使ってるので、スピーカーのグレードではかなり違って来ますが、最低でも真空管特有の奥行きがあり太く温かみのある音を享受出来ます。

 

対してソリッドステートは使われてるオペアンプのグレード、回路構成、スピーカーでガラリと変わってしまいます。

 

ソリッドステートアンプは大別すると、

・ソリッドステートらしいトーン(クリーンはフラットで、歪はザクザクとエッジが効いてる)

・クリーンか歪、または両方共チューブに違いトーン(クリーンは奥行きがあり、歪は滑らか)

・上記のどちらでもないトーン(後述)

という感じです。

 

まずソリッドステートらしいトーンは、みんなが挙げるのはJC-120だと思います。これが一番有名、定番です。

クリーンがフラットで硬い音というのは的を射ています。

他にも一部の例を挙げると、Fender Frontman 10、Orange Crush 12L、Hughes & Kettner Edition Blue 15DFXなど、安めのアンプが多いです。

これらのアンプは、大抵はアンプに左右されない歪ペダルとの相性は抜群です。

逆に言えば、アンプの味付けなどに使われる事の多いエフェクターだと、ただでさえ硬い音が強調されるような気がします。

また、アンプ直での歪はザラザラとファズのようなものが多く、評価はあまり高くないのが多いです。

JC-120の歪はザラザラの成分が太くなったような感じで、音が割れてるような印象です。

後述のプリアンプにエフェクターの回路を積んだタイプもありますが、それらは値段が一気に跳ね上がります(笑

 

次に、クリーンや歪がチューブに近いアンプですが、これらは値段が(ソリッドステートとしては)かなり高いものが多いですが、その分人気で高評価なものが多いです。

 

まず安めのものとしてはVOX Pathfinder 10が挙げられます。

 

VOX ヴォックス コンパクト・ギターアンプ 10W Pathfinder 10

VOX ヴォックス コンパクト・ギターアンプ 10W Pathfinder 10

 

 

パス10はクリーンが上記のソリッドアンプらしからぬ太くて温かみのある音を奏で、値段は超安価もあって定番の初心者向け、自宅向けアンプに推奨されたり、初心者セットに大体付いて来たりします。

歪はそのままだとザラザラなファズなので長年評価は最低でしたが、近年EQの設定によってはなかなかいい音を奏でると徐々に見直されつつある?

 

またパス10と同じく、長らく愛用されて来たPignose 7-100Rなども挙げられます。

 

Pignose ピグノーズ エレキギター用ミニアンプ 7-100-R

Pignose ピグノーズ エレキギター用ミニアンプ 7-100-R

 

 

こちらは元々のヘッドルームが低く、Volを上げると自然に、イナたく柔らかく歪んでいくので、ソリッドらしからぬ独特なトーンにファンも多いです。

小型で電池駆動可能というのも魅力の一つです。

 

しかしながら、上記の2つのアンプは歪ペダルとの相性は(個人的には)イマイチな気がします。

パス10はプリアンプの個性が強く、どんなペダルを使ってもパス10の歪のような音が出て来ます。

アンプの個性を強烈に封印するRockman(笑)ですらパス10の音にさせられました(爆

Pignoseはヘッドルームが低く歪みやすいので、歪ペダルを繋ぐと音割れが起きやすいのが難点です。

 

安価で小型、クリーンも歪もチューブらしいソリッドステートアンプとしては、古くからあるMarshall MG10CFやPeavey Backstageがあります。

 

Marshall MG-Gold シリーズ ギターアンプコンボ MG10 GOLD

Marshall MG-Gold シリーズ ギターアンプコンボ MG10 GOLD

 

 

どちらもシリーズの一つで、プリアンプが同じ構成になっており、各種機能の有無やスピーカーのグレード、W数で値段が変わってくる感じです。

MG10CFやBackstageはその最低限の機能で各々の良さを堪能できるようになってます。

 

まずMGですが、クリーンも歪もMarshall風にチューンナップされた感じのトーンで、クリーンは多少奥行きを感じ、歪はドンシャリサウンドを奏でます(笑

エッジが徹底的に削られ、滑らかなトーンを奏でますが、逆に言えばチューブよりもエッジが削られてるような気がするので、人によってはキャビネットシミュレータを搭載してるような違和感すら覚えるかもしれません(笑

因みに昔のバージョンのもの(CDシリーズ)はFDDというスイッチがあり、押すと音が太くなり、温かみのあるフィルターが掛かる機能でしたが、現行のCFシリーズはデフォルトでチューブに近いトーンにチューンナップされてるそうです。

 

次にBackstageですが、こちらはTranstubeテクノロジーという、チューブのようなニュアンスを加える回路が搭載されています。

このTranstubeテクノロジーは80年代に出て、今尚ロングセラーのBanditで一躍有名になりました。

こちらはキャビシミュ的なものとは違い、スピーカーは生かしつつチューブのようなトーンを奏でるので違和感は皆無です。

なのでMGなどとは違いごく自然なサウンドを得られ、安さもあってか近年安アンプとして評判を得てるものの一つです。

欠点を挙げるとするならば、上位機種とスピーカーのグレードの差が激しく、Backstageだと歪の音が篭るという意見が挙げられます。

またどちらもエフェクターの乗りが良く、特にBackstageにおいてはパス10に変わって定番になりつつあります。

 

次に高価なものとしては、現行品でBOSS WAZA Amp、Marshall MG101(102)CFX、Tech21 Trademark 30やPeavey Bandit 112などが挙げられます。

 

 

 

Marshall MG102CFX MG Series 100-Watt 2x12-Inch Guitar Combo Amp [並行輸入品]
 

 

 

PEAVEY Bandit 112 100W コンボアンプ 【国内正規品】

PEAVEY Bandit 112 100W コンボアンプ 【国内正規品】

 

 

 

ますWAZAですが、これはBOSSが近年発売したソリッドステートのアンプで、フェンダー系のクリーンやツィード系のクランチ、Brown Soundを基軸としたリードサウンドを得られます。

またTone Capsleを使えば、著名なアーティストが直々に開発に携わったトーンが得られます。

よく言えば多機能、悪く言えば没個性でしょうか。

またチューブアンプと大差ない価格なのもネックになってるような気がします。

歪ペダルの乗りは比較的良く、リードサウンドにブースターの役割のエフェクターを使っても悪くないです。

 

次にMG101CFXですが、これは10CFの完全な延長で、プリアンプでトーンを完結させてスピーカーのグレードにあまり左右されない仕様になってます。スピーカーの径で低音やレンジは変わりますが。

W数が上がり、4ch仕様、各種エフェクトや独立ディレイ、独立リバーブ、ループなどが追加されてます。

100w帯のアンプとしては安価ですが、MG15〜30辺りに人気が集中してるのであまり注目はされてないような気がします(笑

エフェクターの乗りはMGシリーズ通して安定してますが、リードchに対してブースターの乗りは良くないです。

 

Trademark 30はSansampのプリアンプを搭載し、良くも悪くもSansamp独特のニュアンスが出てます。

プリアンプに単品のGT2の回路を搭載し、ミドルEQ(500Hz)を加えられてます。

ベースがGT2なので音作りの幅が広く、現行のアナログソリッドとしては人気機種の一つになってます。

スピーカーはTech21のカスタムで、デフォルトでミドル寄り、スピーカーシミュでミッドハイを強調したり、低音と高音を強調してラウドなサウンドに出来たりします。

歪ペダルの乗りは、InputだとSansampの回路を通るので悪く、リターンに挿すとミドル寄りなスピーカーなのでかなり良いです。

 

Peavey Bandit 112は、基本はBackstageと一緒ですが、スピーカーが同社の人気のBlue Marvelを搭載しており、歪の抜けが段違いに向上してます。

クリーンも歪もどのモードも単体で使い勝手が良く、またエフェクターの乗りも良く、w数を変えられるので守備範囲が広いです。

MGやTrademarkとは違いスピーカーの個性を活かしてる点がシミュとは違う感じです。

個人的にはソリッドステートのアンプでは一番好みかもしれません(笑

 

最後にソリッドらしくもチューブらしくもない、独特なトーンを奏でるアンプとしては、Rockman XP-100、Randall Warheadなどが挙げられます。

全て生産完了品です。

XP-100はラックエフェクターのXPRをコンボアンプにしたようなもので、スピーカーの個性は完全にシャットアウトし、クリーンも歪もRockmanの「あの音」が出てきます。

正にWAZAとは真逆で良くも悪くも超個性的てす。

因みにエフェクターの乗りは、リードに対してブースターなどはよく使われますが、クリーンにして歪ませるハイゲイン系のエフェクターはあまり使われないです。

Warheadは故Dimebag氏のシグネチャーアンプで、ベースはソリッドらしいアンプなのですが、重低音を強調し、高音をメタルサウンドらしいトーンに調整し、サスティンを強調したフルチューンされたものとなってます。

ソリッドらしく音の出は速く、Dime氏の為のアンプという感じです。

クリーンはソリッドらしくJC-120よりなフラットで透明感あるクリーンとなってます。

 

他にも名機と言われたMarshall Lead 12、Peterson P100G、Gibson Lab 212、Fender Stage Lead IIなどあり、ソリッドステートは奥が深いです(^ν^)